父親から虐待を受け死亡した小学4年生の心愛(みあ)ちゃん。学校でのいじめのアンケートに、父親から暴行を受けていることを訴えたのに、なぜ心愛ちゃんの命を救うことができなかったのか! ましてやそのアンケートを教育委員会が父親に渡してしまった。これが虐待をますますエスカレートさせたことは想像がつく。心愛ちゃんは「助けてと言ったのに、先生は、大人は、誰も助けてくれない」という絶望と悲しみのなかで亡くなったと思うと本当に胸が痛くなる。昨年3月には5歳の結愛(ゆあ)ちゃんの虐待死亡事件があった。その時の教訓がなにも生かされていないことも大変ショックだった。

 6日に佐賀市アバンセで開催された「佐賀市児童虐待防止専門化講座」で福岡市子育て見守り訪問の活動をする山口氏の話を聞いた。今回の事件にも触れながら言われた言葉「事件の父親が逮捕されたらそれで解決したのではない。このような虐待がなくなるような社会にならないとなにも変わらない」が強く心に響いた。

 宮城県では双子の1人が虐待死亡する事件があった。多胎児の虐待死亡率は1人ずつ生まれる子どもと比べると4倍と言われている。今年5月には、妊娠期からの切れ目のない多胎支援を目指し、行政・医療・福祉などと多胎育児経験者団体が連携する「さが多胎ネット」を発足する。これが、すべての子どもたちを守る礎になると信じて。(中村由美子・佐賀女子短大非常勤講師)

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