佐賀ロケで演技指導する大林監督(左から2人目)=平成5年2月9日、富士町東畑瀬地区

 大林宣彦監督の映画「水の旅人-侍KIDS」の佐賀ロケが、佐賀郡(現佐賀市)富士町東畑瀬地区で始まった。水がテーマの本格SFXファンタジー。嘉瀬川ダムに沈むことが決まっていた山里の風景をバックに3日間、撮影が行われた。

 大林監督が1989(平成元)年の古湯映画祭にゲスト出演した際、東畑瀬地区の風景にほれこみロケ地に選ばれた。俳優・山崎努さんが演じる一寸法師のような姿の武士に出会った小学生が、川の上流までたどり、水の大切さを知るというストーリー。地元住民もエキストラ出演した。

 佐賀市柳町の八坂神社や今宿の水路でも撮影が行われた。主人公の身長が17センチという設定のため、全編の8割がハイビジョンの合成映像で構成。その年の夏休みに公開され、配給収入20億3千万円の大ヒットとなった。

 撮影当時、東畑瀬地区は水没する家屋や土地の補償額の交渉中。いつもは静かな山里は、ロケ隊の活気でにぎわった。同地区は89年公開の「男はつらいよ ぼくの伯父さん」でもロケ地に。美しい風景は沈んだが、2作品の映像に永遠に残されている。(新元号まであと81日)

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