倒れてしまって金継ぎで修復されたつぼ。右下にはマツで穴をふさいだ跡も

窯の耐火レンガにくっついた一輪挿し(左)と花入れが重なってしまった作品。いずれも花入れとして使われている

放射状に割れてしまった器。また作れと言われてもできない一品

 「思った形にはならなかったが捨て難い」と陶芸家が愛着を感じて手元に残している作品を集めた展示会「いとをし かたやぶれもん」が8日、武雄市の陽光美術館で始まった。11日まで。

 美術館の学芸員神谷直子さんが10年ほど前、陶芸家が商品とは思えない作品を所蔵しているのを見たのがきっかけ。武雄などの窯元にも同様の作品があるのを知り、企画展を考えた。

 武雄市や周辺の13窯元が25点を出品した。窯の耐火レンガにくっついた一輪挿し、花入れどうしが重なってしまった品、アナグマの爪痕が残る器、焼成過程で放射状に割れてオブジェのように仕上がった器など、“失敗作”ではあるが、アクシデントによって新たな面白さが生まれた作品が並ぶ。

 「なんとなく可愛いやつ なにせ3カ月に及ぶ仕事の成果物なのだから」「ひびや釉薬(ゆうやく)のめくれに見舞われているのになぜかひかれる」など作者の思いも添えられ、手放せない理由が推し量れる。

 企画展に合わせ、9日午後2時から「金継ぎ」について講演会があり、期間中は実際に割れた焼き物を修復するワークショップ(予約制・9千円)もある。茶屋では10窯元の器でぜんざいセット(600円)を提供、手火鉢であぶった熱々の餅を入れて楽しんでいる。

 美術館の入館料は600円。問い合わせは陽光美術館、電話0954(20)1187。

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