新北神社に掲げられた巨大な荒恵比須の面=佐賀市諸富町

新北神社の社殿に復元された天井画=佐賀市諸富町

 佐賀市諸富町の新北(にきた)神社に、巨大な恵比須(えびす)の面がお目見えした。社殿の新たな天井画も間もなく完成。ともに佐賀大学関係者が「地域貢献」の思いを込めて手掛けた。県外からバスツアー客が訪れるなど、徐福伝説の神木「ビャクシン」に続く同神社の新たなシンボル的存在として話題を呼んでいる。

 川浪勝英宮司(63)によると、同神社には江戸時代に制作されたという「荒恵比須」の面が伝わる。今年1月20日から「廿日(はつか)恵比須」を行うことになり、参拝客に福を招こうと、佐賀大芸術地域デザイン学部で漆・木工分野を教える井川健准教授(38)に制作を依頼した。

 面の大きさは、縦2メートル40センチ、横2メートル70センチ。福々しい笑みを浮かべた面は遠目から見ても迫力十分。昨年の大みそかに門に掲げられ、巨大な面を見ようと、1月は初詣客だけでなくバスツアーの観光客が、昨年の2倍以上となる1日平均約40人が訪れた。

 2月いっぱい掲示する予定。川浪宮司は「これだけ多くの人に見ていただけるとは」と驚き、井川准教授は「肌色の質感を出すのに試行錯誤したが、新しい技法に挑戦できたし、地域貢献という点でもやりがいのある仕事だった」と振り返る。

 同神社の社殿は2017年に「平成の大造営」で新築された。経年風化した天井画の復元模写に取り組んでいるのは、昨春まで佐賀大で教壇に立った金沢美術工芸大学の石崎誠和准教授(42)。少し触るだけで絵の具が剥落する状態だった“原本”を、佐賀大在籍時から研究してきた。

 旧社殿では96枚だった絵に、諸富町の歴史にちなんだ“新作”8枚を加えた104枚を日本画専攻の学生とともに描き、3月をめどに完成させる。4月に氏子らによる落成祝いの祭りも行われる。石崎准教授は「作者の考えや筆さばきが分かってくると、元絵と“対話”しながら制作を進めることができた。芸術を通して地域につながりやにぎわいが生み出せれば」と話す。

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