幕末の佐賀藩や大隈重信について講演するANA歴史大使の松平定知さん=佐賀市のアバンセ

 元NHKアナウンサーで、ANA(全日空)歴史大使を務める松平定知さんの講演会が3日、佐賀市のアバンセホールで開かれた。松平さんは「その時歴史が動いた~幕末・肥前さが~」をテーマに、佐賀の県民性や大隈重信の人となりについて独自の視点で語った。

 明治維新を推進した「薩長土肥」のうち、肥前と他の藩との評価に差があることについて、松平さんは「民がいい思いをするように、というのが(鍋島)直正公の考え。『私が、私が』というところがなかった」と指摘。佐賀の県民性について「集団の力を借りて自分の権利を主張しない」と評した。佐賀の“群れない”姿勢は、大隈が創設した早稲田大学の「学の独立」や「在野精神」といった理念に受け継がれているとした。

 また松平さんは、大隈が「統計院」の設立を建議して自ら初代の院長に就任するなど、日本に統計学を根付かせたことを紹介した。厚労省の統計不正問題に触れ、「不正を一番悲しんでいるのは大隈ではないか。すべての政治の根幹は統計資料。大隈が唱えたことを全国民が思い返さなければならない」と訴えた。

 講演会は、九州佐賀国際空港の開港20周年記念として開かれ、佐賀県と福岡県南西部の自治体や商工団体などでつくる空港活性化推進協議会とANAが主催。鍋島報效会徴古館主任学芸員の富田紘次さんによる講演もあり、260人超が聴講した。

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