SDGsの17の目標を念頭に、現状と課題について意見を出し合う学生=佐賀市

 日中韓3カ国の学生が佐賀に集い、世界が直面するあらゆる問題解決に向け、国連が2030年までの達成を目指す「SDGs(持続可能な開発目標)」を切り口に学ぶ7泊8日のプログラムが終了した。「地方で、複数の国の学生が学ぶプログラムは全国的にも珍しい」(一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク)。国境を超える環境問題などについて、日ごろ感じていることを意見交換し、一人一人に何ができるかを考えた。

 プログラムに全日程参加したのは、日中韓の12人。SDGsに取り組む福岡県北九州市や、有明海特産のノリ養殖に配慮した放流などを実施する佐賀市の下水道事業などを視察し、議論のテーブルに着いた。

 健康への影響が懸念される微粒子状物質「PM2・5」をはじめとする環境問題や、教育格差、ジェンダーの問題などが、各国共通の課題として提示された。当初、PM2・5について「中国の課題」と問題提起があったが、議論を通じ「中国だけが当事者と一面的に捉えられがちだが、その製品を買っているのは韓国、日本の人たちでもある。一緒に考えなくては解決に結びつかない」とまとめた。男性の育休取得が困難な現状などから「一見、男女平等が進んでいるように見えるが、差別や格差が見えにくくなっているだけ」との指摘もあった。

 北京大学日本語学科4年の葛思嘉かつしかさん(21)は「現場の取り組みを実際に見てSDGsを考えることができたことが一番の収穫。3カ国の学生が同じように課題を持っていることも分かったので、自分にできることは何か、生活の中で考え続けたい」と話した。

SDGs(エスディージーズ)】 2015年に国連で全会一致で採択された。貧困や飢餓の廃絶、地球環境保全、質の高い教育の確保など17の目標で構成される。

 

問題意識どう広げるか

 日本人学生として唯一、すべてのプログラムに参加した佐賀女子短期大学地域みらい学科の古賀千聖さん

 ゲストハウスで寝食を共にしたことも大きかった。中国の学生から「ごみ分別が(細かくて)面倒じゃない?」と聞かれたり、トイレの電灯をこまめに消さない学生もいたから注意したり。生活の中での違いや現実を実感しながら、「SDGsの目標達成に何が必要か」を学べた。これからの課題は、どうやって広げるかだと思う。自分一人では何も変わらない。短大の先生や、同級生と一緒にSDGsを学ぶ機会を増やすところから始めたい。

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