太良町長選で初当選を決め、支持者に感謝を述べる永淵孝幸さん。左は妻の京子さん=3日午後9時24分、藤津郡太良町多良の事務所

 有権者は町政の継続を選んだ。新人による三つどもえとなり、3日に投開票された藤津郡太良町長選は、町職員時代を含めて半世紀の行政キャリアがある前副町長の永淵孝幸さん(70)=大川内=が“信任”された。永淵さんは支持者の祝福に包まれながら、人口減少に直面する町のかじ取りを担う重責をかみしめた。

 午後9時すぎ、太良町多良の事務所に「当選」の知らせが届くと、約100人の支持者が歓声を上げた。拍手で迎えられた永淵さんは「身に余る光栄」と感謝を述べた。副町長として10年。ともに歩んだ現職の岩島正昭町長(72)も駆け付け、握手を交わした。永淵さんは「一緒に取り組んできた施策を認めてもらえた」と喜んだ。

 昨年9月の岩島町長の引退表明は突然のことだった。「継続中の事業に影響が出ないか」。町政の今後を心配した町議や住民らは、そう言って永淵さんに懸念を伝えた。再三、出馬を要請されたが、妻は反対。自身は食事がのどを通らなくなった。親族が集まった話し合いで「町のために頑張ってみろ。運命だ」と背中を押されて意を決し、10月に出馬会見へ臨んだ。

 対立候補は子や孫ほどの年齢差があり、高齢批判を意識せざるを得なかった。不安は募り、体重は3キロ減った。それでも事務所には連日、支援者が集まり「支えを実感した」という。行財政を知る経験と手腕で役場OBの信頼も厚く、同窓生らも動いて票を積み上げた。

 少子高齢化や基幹の農林水産業の低迷など、町には課題が山積する。永淵さんは「本当に大変なのはこれから」と強調し、「見直すべきところは見直す。私のもとに声を届けてほしい」と、町民の参画を呼び掛けた。

このエントリーをはてなブックマークに追加