プロ野球のキャンプが1日、一斉に始まり、鳥栖高出身の緒方孝市監督が率いる広島と、佐賀東高出身の辻発彦監督が指揮する西武がそろって宮崎県日南市で始動した。開幕はセ、パともに3月29日。オフ期間の補強で他球団の戦力アップも著しいが、今年こそ「佐賀県出身監督同士の日本シリーズ対決」の実現を期待したい。

 「野球はすごいし、誇りです」。1月15日に県出身のプロ選手として初の野球殿堂入りを果たした権藤博さん(鳥栖高出身)の同郷2監督への言葉である。緒方監督は昨季、球団初のリーグ3連覇を達成。辻監督はチームを10年ぶりの優勝に導いた。1998年に横浜(現DeNA)を38年ぶりのリーグ優勝、日本一に導いた名指揮官にしても2人の姿はまばゆいばかりなのだろう。

 プロの世界では当たり前のことではあるが、オフ期間の移籍は例年にない激しさで、昨季圧倒的な強さを示した両球団にも大きな動きがあった。広島は優勝の原動力になった丸佳浩外野手がフリーエージェントで巨人に移籍。その人的補償で長野久義外野手(基山町出身)が入った。緒方監督は実家同士が近いことも話題にしていたが、巨人一筋だった長野選手が広島の赤いユニホームに袖を通すのには運命的なものを感じる。

 西武はエースの菊池雄星投手が米大リーグへ。主将で打点王を獲得した浅村栄斗内野手が楽天に移った。パ・リーグ2位から日本一に駆け上がったソフトバンクは力を保っており、先発投手の強化などチーム力の底上げが必要だ。昨季初本塁打を放った5年目の山田遥楓内野手(佐賀工高出身)ら若手のさらなる成長が望まれる。

 この2球団に加え、他球団にも注目すべき多くの県出身者がいる。DeNAの宮崎敏郎内野手(厳木高出身)は昨季、打率3割1分8厘を残し、初のゴールデングラブ賞にも輝いた。チームメートの濵口遥大投手(三養基高出身)は終盤巻き返して4勝。侍ジャパンに招集され、日米野球で好投した。伸び盛りの本格派左腕は東京五輪出場も有望視されている。楽天の古川侑利投手(有田工高出身)は5年目の昨季、プロ初勝利を挙げるなど4勝をマークした。今年は上積みが期待される。

 長い目で楽しみにしたいのは、大阪桐蔭高の春夏連覇の中心選手で、日本ハムにドラフト5位で入団した柿木蓮投手(多久中央中出身)と、ヤクルトに同7位で入る久保拓眞投手(伊万里市出身)だ。日本ハムの1位指名は、柿木投手とともに甲子園を沸かせた金足農高出身の吉田輝星投手で、入団では差を付けられた格好だが、プロは言わずと知れた実力の世界。日本一の強豪校でエースの座を勝ち取ったハングリー精神で着実に前進してほしい。(杉原孝幸)

このエントリーをはてなブックマークに追加