厳しい寒さが続くが、自宅の庭に目をやると木瓜(ぼけ)の花がたくさんのつぼみを膨らませている。いくつか開花したものもあり、何ともいえない鮮やかな色の花が、早春の訪れを告げている◆この花の色合いをどう表現すればいいだろう。赤でも紅でも朱でもない。なかなか微妙で、いい表現が見つからずにいると「緋(ひ)木瓜」という言葉を見つけた。「緋」は濃く明るい朱色のことで深紅色とも。紅い色のサンゴが近い色かもしれない◆木瓜の花は、瓜(うり)に似た実を付けるのでそう名がついた。「木瓜」を「もけ」などと呼んでいたものが、なまって「ぼけ」となったらしい。バラ科の落葉低木で枝に棘(とげ)があり、剪定(せんてい)していて刺されそうになったことがある◆早いもので1月はあっという間に過ぎ、きょう4日は「立春」。春の始まりを意味し、暦の上では5月6日の立夏の前日までを春という。ただ、受験生にとっては春はまだ先。これから県立高校の入学試験や、大学も国公立大のほか東京や関西の私学が本格化する。インフルエンザが猛威を振るう中での本番である◆一方、就職を決めた人は旅立ちの準備を始める人もおろう。木瓜は、もう少し暖かくなると枝が見えなくなるほどたくさんの花が咲く。そのころには家族とも離れて暮らすことになる。〈木瓜咲くや親兄弟と遠く住み〉伊藤千鶴。(丸)

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