玄海原発(奥左から3号機と4号機)から約6キロの向島であった全島民避難訓練。陸自ヘリで搬送される要支援者役の住民ら=2日午前、唐津市肥前町向島(撮影・米倉義房)

 九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)の重大事故を想定した佐賀県原子力防災訓練が2日、福岡、長崎両県と連携して行われた。3、4号機の再稼働後初の訓練で、地震との複合災害を想定した。原発から約6キロに位置する向(むく)島(唐津市肥前町)で全島避難を実施したほか、ヘリコプターによる情報収集、避難所での寒さ対策などを検証した。内閣府とテレビ会議がつながらないトラブルもあった。 

 訓練は、県内で震度6弱の地震が発生し、3号機の全ての冷却機能が喪失して放射性物質が放出される事態を想定した。県や市町、県警や自衛隊など75機関が対応の手順を確認し、前日までに実施した屋内退避を含めて玄海町、唐津市、伊万里市の住民3万4165人が訓練した。福岡県は140機関で住民約3600人、長崎県は88機関で住民約1800人が参加した。

 向島からの全島避難を想定した訓練では、実際の人口(54人、1月1日現在)を想定し、島の住民や唐津市職員ら51人が海上自衛隊の船や旅客船など6隻に分乗して避難した。ヘリコプターでは要支援者役の住民ら3人を島外に搬送した。

 障害者グループホームが初めて訓練に参加し、入所者らが唐津市から佐賀市の施設に向かった。複合災害に伴う被災箇所や渋滞状況を把握するため、県警と陸上自衛隊のヘリコプター2機を使って情報収集し、この情報を生かして避難経路を変更する訓練も行った。

 小城市など4市町では避難住民を受け入れる訓練があり、体育館などに設けた避難所にストーブを設置したり、使い捨てカイロを配布したりして寒さ対策を実施した。玄海原発では、大容量空冷式発電機を起動するなどして事故収束に向けた手順を確認した。

 向島での訓練を視察した山口祥義知事は「海自の船やヘリコプターを使うなどさまざまなオペレーションの確認ができた。どのような場合にどういう輸送手段を用いるのか、シミュレーションをさらに進めたい」と述べた。

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