誰でも知っているフロレンス・ナイチンゲール(1820~1910年)。だが、知っているのは「近代看護教育の母」という一面だけかも…◆実はそれだけでなく歴史や語学、美術や音楽などさまざまな分野に秀でた教養高い女性だった。当時、それだけの教育を受ける事ができる裕福な家庭に生まれ育ったということでもあるが、恵まれた環境に甘えることなく努力し、社会に貢献した◆ナイチンゲールが特に勉強したのが統計学だった。“近代統計学の祖”とされるアドルフ・ケトレーを信奉し猛勉強。クリミア戦争では看護師団リーダーとして戦地に赴き、野戦病院で奮闘。多くの戦死・負傷者に関するデータを分析◆戦闘より院内衛生の悪さが原因での“戦死者”が多いことに着目。このことを統計を使って示し、徹底的に病院の衛生環境に心がけ、死亡率を劇的に改善させた。女性として初めて英王立統計協会の会員に選ばれた“クリミアの天使”。統計は戦略・施策の基本の基ということを知っていた◆今、日本を揺るがしている厚労省の統計不正。ギリシアの財政危機も国家統計の信頼が崩れてあんな事に。官僚が統計の重要性を知らなかったとは思えないが、偉大なナイチンゲールの「人生とは不正との格闘である」という言葉をどう思うか、聞いていてみたいものである。(賢)

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