八藤丘陵から見つかった巨木=平成5年2月8日撮影、上峰町堤

 圃場整備中だった上峰町堤の八藤(やとう)丘陵からマツ科トウヒ属の巨木など多数の倒木群が出土した。その後の調査で、巨木は約9万年前の阿蘇第4火砕流で倒されたヒメバラモミだと確認された。

 圃場整備に先立ち、1989(平成元)年から調査を行い、地表近くに先土器時代(約1万年前)から奈良・平安時代にかけての遺跡が見つかっていた。倒木群はさらにその下の層から出土し、最も大きい木は直径1・5メートル、長さ22メートルで、樹齢は700~800年と推定。表面は焼けていたが、水分を多く含んだ地層にあり保存状態も良かった。一般公開時は大勢の見学者でにぎわった。

 当初は木を輪切りにして搬出、工事を再開する予定だったが、文化庁が「より慎重に調査を」と県に打診したことで、多分野の専門家によって詳しく調べられることに。「全面保存」を前提として、この年の9月に埋め戻された。

 九州全域を襲った第4火砕流の痕跡を残す貴重な資料として評価が高く、八藤遺跡一帯は2004(同16)年に国の天然記念物に指定された。

 上峰町は巨木の保存・活用に向けて周辺の私有地を買収。保存に重要な地下水位確保も対策を講じた。今後の計画は検討中という。(新元号まであと88日)

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