住み慣れた自分の家での介護。終末期であればなおさら、受ける側も家族も在宅を願うのが人情である。だが、容体が急変したらどうしよう、満足な対応ができるだろうかと躊躇(ちゅうちょ)する気持ちも。いろんな事情から行動に移すことは難しい◆佐賀県は、家族らを自宅で看取(みと)る割合が全国で最も低い県の一つである。逆に、病院や施設で亡くなる率はトップクラス。もちろん佐賀は入院環境が整っているということもあろう◆在宅での介護には、いろんなハードルがある。往診してくれる医師が地域にいるか。受けられる支援サービスにはどんなものがあるか。患者の痛みへの対処はどうするか。さらに介護する側の心労もあり、心のケアも必要となるだろう◆本紙の「ひろば」欄に「妻の在宅介護を決めた私」という題で72歳の夫の声が掲載されていた。「これから私が妻の命を守るんだと決心し、(佐賀大)医学部で習得した在宅、外出中の酸素器の調整、車いすおよびスロープ作業などを十分になして、一日でも長く生きるようにと介護の日々が始まった」とあり、妻を支えて歩もうとされる姿に大変感銘を受けた◆男性と同じく、戦後間もない1947年から49年に生まれた「団塊の世代」は、すでに70代に入った。超高齢化時代にあって、在宅介護をどう考えるのか。切迫した課題である。(丸)

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