歴史を見ていた建物

 穏やかに新年が明けた。「肥前さが幕末維新博覧会」も、多くの入場者を記録して閉幕した。ふる里佐賀の先人たちのすばらしさを、改めて学ぶことができた1年であった。

 佐賀市唐人町にある「佐星醤油」の建物。木造モルタル2階建て昭和6年の建築である。庇ひさしの持ち送りの装飾などは、アールデコ様式を想起させ、モダンでおしゃれである。

 江戸時代から続くこの商店の7代目当主吉村誠さんの話。「私の曽祖父吉村吉郎きちろう(4代目の佐賀の大実業家)の実の妹が、日本初の女性科学者黒田チカです。リコーの創業者市村清氏などとも交流がありました」

 このほど「有朋会」(佐賀大学教育学部同窓会)の130年記念誌が刊行された。その中に黒田チカ博士の寄稿文「化學の道に生きて」が復刻掲載されている。豊かな風土は「志」を育む。(佐賀女子短期大学名誉教授・山田直行)

 

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