受験シーズン。みんな本番に向けて猛勉強のことだろう。寝るのも惜しんで参考書や問題集に取り組んでいる受験生たちの眠気を吹き飛ばすようなお話を◆福沢諭吉『福翁自伝』には緒方洪庵の「適塾」で蘭学をやっていた時のことが詳しく書かれている。この大阪の小さな私塾は1838年に開かれ、福沢諭吉が入門したのは1855年のこと。そこには全国から俊英たちが寄宿。毎日競って猛勉強していた◆諭吉がある日、体調を崩し、横になろうと枕を探したが枕がない。「あれっ、枕は」。何と諭吉は入塾して1年半、一度も枕を使って寝たことがなかったことに気がついた。毎日毎晩、一心不乱に勉強。いつも気を失うように机に突っ伏して寝ていたからだ◆なぜ、それほど勉強を。「西洋日進の書を読むことは日本国中の人にできないことだ。自分たちの仲間に限って出来る。知力思想の活発高尚なること、苦中有楽、苦即楽という境遇。自分たちより外にこんな苦い薬をよく飲む者はなかろうという見識。苦しければもっと飲んでやるくらいの血気で」(『福翁自伝』)◆苦しい勉強に弱音を吐くどころか学べる境遇に感謝し、「江戸の書生に負けてたまるか」という勢いである。勉強はきつくとも必ずや自分のためになる。いかがだろうか。さあ、ゴールは目の前だ、がんばろう。(賢)

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