生ごみを堆肥化する取り組みで「食品産業もったいない大賞」の最高賞を受賞したNPO法人「伊万里はちがめプラン」の福田俊明理事長=伊万里市大坪町

学校給食から出る生ごみも回収している=伊万里市大坪町

 生ごみの堆肥化に取り組む伊万里市のNPO法人「伊万里はちがめプラン」(福田俊明理事長)が、持続可能な食と環境の在り方を顕彰する「第6回食品産業もったいない大賞」の最高賞を受賞した。福田理事長は「活動を始めて27年。社会の持続可能性への関心が高まる中で改めて光を当ててもらい、本当にうれしい」と喜ぶ。

 表彰は、地球温暖化や食品ロスなどの問題に対する食品産業の取り組みを促進するため、公益財団法人・食品等流通合理化促進機構が実施している。本年度は全国から30件以上の応募があり、はちがめプランは最高賞の農林水産大臣賞(1件)を受賞した。

 はちがめプランは1992年、福田理事長(78)ら飲食業の経営者などが生ごみ資源化研究会を発足させてスタートした。毎日大量に出る生ごみを税金を使って焼却処分するのは「もったいない」との思いがあった。その後、約100日間発酵熟成させて堆肥化する方法を確立。焼却しないことで二酸化炭素の抑制にもつながった。

 現在は飲食店やスーパーなど71事業者、市民300世帯から年間550トンの生ごみを回収し、同市大坪町の専用施設で250トンの堆肥をつくっている。ここの堆肥を使って無農薬野菜を栽培する阪東靖記さん(40)=佐賀市大和町=は「微生物の力でつくっているので安心だし、野菜の出来もいい」と評価する。

 ただ、27年に及ぶ活動は順調だったわけではない。資金繰りに苦労して「もうやめようと思ったこともある」と福田理事長。バイオマス燃料の普及や環境教育にも取り組んだが、軌道に乗せる余力はなかった。

 はちがめプランの本来の目的は地域づくりであり、発足当初から「資源の循環による持続可能な地域社会」を目指してきた。国連が「持続可能な開発目標(SDGs)」を掲げたのは2015年。時代が追い付いてきたともいえる。福田理事長は「今回の受賞を、活動の輪を再び広げるきっかけにしたい」と話す。表彰式は29日に東京都で行われる。

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