青竹を打ち鳴らして厄(やく)をはらうカセドリ=佐賀市蓮池町の熊野権現神社(2017年2月撮影)

見島のカセドリの記念シンポジウムについて話す、加勢鳥保存会会長の武藤隆信さん=佐賀市立図書館

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産に昨年11月に登録された佐賀市蓮池町見島地区の伝承行事「見島のカセドリ」の記念シンポジウムが26日、佐賀市立図書館で開かれた。加勢鳥保存会の武藤隆信会長(65)が、行事の由来や神事当日の様子などを紹介し、保存会としての思いを伝えた。

 神事を行う熊野神社は、蓮池藩初代藩主の鍋島直澄が紀伊の熊野三所権現から勧(かん)請(じょう)したもの。武藤会長は行事の由来について「建立後、当時流行していた疫病などが途絶えたため、『ご加勢を』という思いからカセドリを奉納するようになった」と説明した。

 カセドリ役2人や、ちょうちん持ちといった9人で地区の家を回ることや、神事の流れなどを解説した。無形文化遺産に登録され、見学者が増えたことで「カセドリが訪問する家に事前の連絡なしで入ったり、田んぼに入って撮影したりする人がいる」と戸惑い、「見守ってほしい」と地域の思いを代弁した。

 佐賀市文化財保護審議会委員の金子信二さん(74)は見島のカセドリについて、かさをかぶっている点や青竹を打ち鳴らす独自性があると紹介した。少子高齢化に伴い、衣装に使うみのを編む技術や役の後継者不足といった課題を指摘し「カセドリは何百年と伝わっている行事。今後もつなげていってほしい」と締めくくった。シンポジウムは約130人が聴講した。

 見島のカセドリは毎年2月の第2土曜日に行われる。今年は2月9日で、神事は午後7時から熊野神社で始まる。

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