学生に絵の具の調整法を指導する十五代酒井田柿右衛門さん(中央)=福岡市の九州産業大

 福岡市東区の九州産業大で、十五代酒井田柿右衛門さんが「柿右衛門様式」に関する演習の講師を務めた。同大学院芸術研究科博士前期課程の1年生5人が受講し、江戸時代から続く伝統工芸技術を柿右衛門さんから直接学んだ。

 演習は十四代柿右衛門さんが始め、十五代は襲名前の2012年から引き継ぎ指導を続けている。22~24日の集中講義で、2日間は学内の実験室で絵の具の作りから上絵付、焼き付けなどを学び、最終日は有田町の柿右衛門窯を見学した。

 絵の具の調整では柿右衛門さん自ら乳棒を持ち調合方法を実演。水の分量や膠(にかわ)の加え方など細かな技法を指導した。日本画を専攻する井口麻未さん(23)は「絵付の方法や余白の使い方など日本画に生かせることも多い。たくさん吸収したい」と話した。

 今回の受講生で陶芸を専攻している学生はいないが柿右衛門さんは「演習が将来何かの手助けになればと思う。これをきっかけに陶芸に興味を持ち、この世界に新しい風を呼び込む若者が出てきてほしい」と期待を込めた。 

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