佐嘉昇関の断髪式で、最後の止めばさみを入れる押尾川親方=平成8年1月27日、東京・両国国技館

 藤津郡塩田町(現嬉野市)出身で大相撲の元幕内力士、佐嘉昇関=当時(34)、本名・林博さん、押尾川部屋=が廃業することになり、東京の両国国技館で断髪式が行われた。19年の相撲人生だった。

 佐嘉昇関は小学時代に両親を亡くし、塩田町の児童養護施設「済昭園」で育ち、角界入り。1977(昭和52)年に初土俵を踏んだ。体が細く、長い下積みを経て86(同61)年に十両昇進。昭和最後の場所となった88(同63)年11月場所で新入幕を果たしたが、幕内は1場所だけだった。

 腰痛に悩まされながらも、不屈の精神で陥落した幕下から十両にカムバックするなど、その頑張りに郷土の声援は絶えなかった。通算出場1113回は当時の現役12位、通算勝ち星516勝は同11位だった。

 断髪式には、地元関係者も出席。出席者一人一人がはさみを入れた。最後に押尾川親方が「止めばさみ」を入れると、「いよっ、佐嘉昇」の声がかかり、佐嘉昇関はこらえきれずに目頭を押さえた。「全国の施設の子どもたちに夢を与えられたのが一番の誇り」と語った。

 引退後の第二の人生は大阪や東京で料理店を営んでいる。(新元号まであと94日)

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