昨年12月、総務省から、国立大学法人における受動喫煙防止対策の推進という文書が送付されてきた。その後、詳しい調査がなされ、受動喫煙対策が実施されていない大学の現状が明らかになり、九州管内、いや全国の国立大学法人は敷地内禁煙を夏くらいまでに実施せざるを得なくなった。

 禁煙は従来、教育機関(小・中・高校)ではすでに敷地内禁煙は義務付けられていたが、なぜか大学だけが許可されていた。この矛盾の時代が長く続き、やっと東京オリンピックの開催など社会的要因もあり、大学も教育機関であるため、今回の決断がなされたのであろう。

 さて、禁煙の難しさについて、私の体験を語りたい。タバコをやめたのは、43歳の時。病院勤務から保健管理センター勤務となり、教職員の方々に禁煙運動を推進する立場へ変わった。もともと、1日3本程度しか吸っていなかったが、朝の目覚め、食後の一服、寝る前の一服は最高の楽しみであった。この習慣をやめるのは、大変だった。ニコチンガムの失敗、タバコを100箱買い、庭先に穴を掘って、タバコの墓を作り、家族に禁煙を公言したが、翌朝、掘り起こして吸ってしまった経験。たった3本なのにどうしてもやめることができなかった。ある時、インフルエンザにかかり、全身をベットに貼り付けられ、身動きもできず、高熱で苦しんだ。ニコチンパッチを腕に貼り、タバコをやめる決心をした。このパッチは成功の秘訣(ひけつ)だと思った。吸いたい気持ちを抑え、インフルエンザも自然に改善し、以後、現在まで18年間タバコを吸っていない。

 今や、若者にはタバコ嫌いも多い。口臭、髪の毛や洋服につくタバコのにおい、歯槽膿漏(のうろう)、がんなど。私の親類が72歳の時、残念ながら他界した。娘さんに「お父さんはどうして亡くなったの」と尋ねた。慢性閉塞性肺疾患(COPD)。酸素を吸いながら、生活していたが、どうしてもやめられなかったらしい。

 皆さん、タバコは百害あって一利なし。やめる決心をされてはいかがでしょうか!(佐藤 武 佐賀大学院教授・保健管理センター・産業医)

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