佐賀市嘉瀬地区共乾施設利用組合の使途不明金問題で、現金を不正に流出させたとして、組合が元組合長と会計を担当していた元事務職員に計約1億6千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、佐賀地裁は25日、元組合長にほぼ同額の約1億6千万円の支払いを命じた。元職員については「裁量はなかった」として賠償責任を認めなかった。

 判決理由で達野ゆき裁判長は「組合の口座から払い戻した現金を、組合のために支出したことを客観的、合理的に説明できなければ、元組合長が適正な支出をしなかったとみるほかない」と指摘。「領収書は年度ごとに前年度分を焼却処分していた」などとする元組合長の主張を「不自然で信用できない」と退けた。

 一方、元職員については「元組合長から直接指揮命令を受けており、裁量があったとは認められない」とした。

 判決などによると、元組合長と元職員が在任中の2014年までの10年間に、領収書がないなどの約3億7千万円の使途不明金が判明した。このうち口座からの払い戻し計359件が訴えの対象となり、357件分の計約1億4650万円を不適切な支出として認定、弁護士費用を足した金額の支払いを命じた。

 また、慰謝料を求めて現組合長を逆提訴した元組合長の請求は棄却した。退職を迫られて辞めさせられたとして元職員が組合に給与の未払い金などを求めた訴えは、強迫など組合の違法行為は認めなかったが、一部賞与の未払いを認め、約68万円の支払いを命じた。

 判決を受け、組合側の弁護士は「元組合長の責任が認められた当然の判決。元職員の責任を巡り、控訴するかどうか組合で検討したい」と話した。元組合長側の弁護士事務所は「担当者が不在」としてコメントはなかった。

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