東京商工リサーチ佐賀支店がまとめた佐賀県内の2018年の企業倒産件数(負債額1千万円以上)は前年比1件減の34件で、1971年の集計開始以来3番目に少なかった。負債額は同30・3%減の48億6300万円で、7番目の低水準。緩やかな景気回復と金融緩和に伴い沈静化しつつも、人手不足関連の倒産が最多となるなど懸念材料が出ている。

 件数は2年ぶりに前年を上回ったものの、最多だった84年(148件)の4分の1で、最少の72年(32件)に迫った。このうち人手不足を原因とした倒産が5件発生しており、集計開始以降で最多となった。人件費が中小企業の経営を圧迫している実情をうかがわせる。

 負債額は3年ぶりに前年を下回った。30億円以上はゼロで、10億円以上が1社だけだった。1億円未満の小口倒産が26件と76・4%を占めた。

 業種別では、建設が8件と最多で、小売と運輸がそれぞれ5件、卸売4件と続いた。原因では、販売不振や既往のしわ寄せ、売掛金回収難などの「不況型倒産」が29件を占めた。形態別では法的倒産が30件で、内訳は破産28件、民事再生2件だった。銀行取引停止は4件だった。

 業歴でみると、30年以上が13件、2~10年未満が9件、20~30年未満が8件だった。規模別では、従業員5人未満の企業が21件、5~10人未満が9件に上り、業歴が長い小規模・零細企業が目立った。

 東京商工リサーチ佐賀支店は「金融機関が中小企業の返済猶予を続けて倒産が抑制され、歴史的な低水準にある」と指摘する。東京五輪や大阪万博で全国では緩やかな景気回復が続くとみられるが「人件費や原材料費の上昇などで、県内では潮目が変わってきた。息切れする零細企業が出る可能性がある。経営環境の悪化に伴い金融機関が融資姿勢を変化させるか注視したい」と先行きについては慎重な見方を示した。

 昨年12月単月の倒産件数は前年比3件増の7件、負債額は同18・37%減の6億6200万円だった。

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