ムツゴロウに似ているが、背びれに棘があるなど違いがある「ダイゴロウ」=鹿島市浜町の干潟(創作フィギュア)

交流新聞を手にする新聞部員=嬉野市塩田町の塩田工業高

白石高新聞部=白石町の白石高

熱気球大会の夜間係留。90回大会の限定企画として、参加バルーンが夜空に向かう階段を作り出す、世界初の試みに挑戦する=佐賀市の嘉瀬川河川敷

犬、猫に並ぶペットとしても人気を呼んでいる「ワラスボ」のイラストを手にする、ご当地佐賀の女子高生=佐賀市の弘学館高

弘学館高新聞部=佐賀市の弘学館高

 7月27日~8月1日に県内で開かれる第43回全国高校総合文化祭(2019さが総文)を特集する「行くぜ!さが総文」。今回は新ネタにアンテナを光らせる新聞部門から3校が、「50年後の新聞記事」に挑戦した。

 日ごろ、学校や身の回りで起こった出来事を、学校新聞で伝えている新聞部。部員たちが「50年後の佐賀新聞に載っているだろう」と想像して書いた、未来の新聞記事とは?(注・各新聞部の記事はフィクションです)

 合わせて、心を尽くした茶でもてなす茶道部門、迫力ある演奏で圧倒する吹奏楽部門を紹介する。

 

 

有明海浄化の裏に「ダイゴロウ」 塩田工業高・嬉野高塩田校舎

 

 ここ数年有明海では海洋汚染が改善され、かつて取れなくなっていたタイラギなどの生物が見られるようになった。その原因は不明のままだったが、鹿島市浜町の西本大地さん(66)がその原因とみられる新生物を発見、「ダイゴロウ」と名付けられ、国内外の研究者から注目されている。

 今年8月17日、鹿島市浜町の干潟を、近くに住む西本さんが散歩中、不思議な生物を発見した。形はムツゴロウに似ているが、全長5センチほどで成体のムツゴロウよりやや小さい。尾は二股になっており、背びれにはとげがついている。前びれは手のように分岐した形状になっており、土を掘りやすくなっていた。

 「普通のムツゴロウとは違う」と直感した西本さんが、塩田工業高生時代の後輩だった佐賀大学教授に持ち込むと、新種の生物であることが分かった。

 詳しく調べたところ、主食は有明海一帯に流れ着いたごみ、藻などで、有明海と干潟の浄化に貢献していた。手のような前ビレを生かして30センチ~1メートルの深い穴を掘って暮らすため、干潟をかき混ぜることに一役買っているようだ。さらに驚くべきことに、排せつ物も干潟の栄養分になることが判明した。有明海の海洋汚染の改善には、この生物が深く関わっているのではないかとみられている。

 新生物は、発見者である西本大地さんの名前と、ムツゴロウに形が似ていることから「ダイゴロウ」と命名された。西本さんは「ダイゴロウが有明海をきれいにしてくれたので、私たち人間もこの海を守っていけるように努力していかなければ」と話している。(塩田工業高・嬉野高塩田校舎新聞部)

 

●コメント

 本校の新聞は昭和40年に創刊され、50年以上の歴史を誇ります。部員が手に持っているのは、全国総文祭や「2019さが総文」のプレ大会で作成した交流新聞です。本年度入部した5人の新入部員とともに、「2019さが総文」を成功させたいと思っています。

 

 

バルーンフェスタ開催90年 白石高

 

 毎年秋に行われている佐賀インターナショナルバルーンフェスタも、佐賀県で初めて開催されてから今年で90年目を迎える。

 大会は現在、世界各地で開催されている熱気球大会のなかでも、アジア最大級の大会として定着している。回数を重ねるにつれて、参加国・地域の数も来場者の数も年々増加している。今年もたくさんのバルーンが佐賀の空を舞い、素晴らしい情景を作り出してくれることだろう。

 また、開催90年の節目を記念して、今回限定で、熱気球が夜空に向けて光り輝く“階段”を作るというイルミネーションが催される。光を楽しむだけでなく、熱気球からつるした階段を実際に上ることもできる。夜間係留と同時に行われるこの企画は、佐賀の夜空をより一層きらびやかに彩るイベントと世界各地から注目を集めている。

 この世界初の試みを前に、幾度も研究・実験が重ねられ、安全性の確保を万全にして本番に臨む。小さな子供からお年寄りまで、さまざまな人がこの階段を上ることができる。

 佐賀県出身のイルミネーションデザイナーがデザインを手がけるなど、数々の企業・個人の協力を得たこの企画により、来場者数は例年より大幅に増えることが期待されている。(白石高新聞部)

 

●コメント

 50年後の佐賀県がどのように進展しているのかを考えて新聞を制作するというのは、思ったよりも難しかった。しかし、部員の皆であれこれと想像しながらの作業はとても楽しく、新鮮な経験だった。今から本当に50年たった後の佐賀の様子が楽しみだ。

 

 

ワラスボブームキモかわ魅力 弘学館高

 

 今、日本中で、有明海の「ワラスボブーム」が巻き起こっている。女子高校生がSNSで発信したことに端を発したこのブームは、街行く人のスマホケースや、高校生のスクールバッグにつけられたキーホルダーがワラスボで埋め尽くされるほどの人気ぶりだ。

 つい数年前までは、ペットといえば犬か猫が定番だったが、今では犬か猫かワラスボが当たり前になりつつある。人気の理由を、ワラスボが生息するご当地・佐賀県の女子高校生に尋ねると「ワラスボは内臓や血管が透けて見えるというところが新しく、今までのペットにはない“キモかわいさ”が魅力」だそうだ。

 過去にブームの“前兆”はあった。50年前、佐賀市はワラスボを映画「エイリアン」風に仕立てたプロモーションムービー「WRSB」を制作、地元PRに利用していた。この動画が数年前、再び脚光を浴びると、ワラスボは“キモかわいい”と女子高生を中心に大人気となった。

 このワラスボブームに伴い、佐賀県の観光客数は急増している。また、佐賀の自然の豊かさや、過ごしやすさを気に入ったリピーターや移住者も多く出ている。今年の「住みたい町ランキング」ではワラスボ効果で佐賀が上位に食い込むことはほぼ確実だろう。この、降って湧いたワラスボブームを追い風に、佐賀のこれからの発展が期待される。(2年・草場倫子)

 

●コメント

 個性豊かな6人で活動しています。学期や行事ごとの発行や全国大会進出を決めた部を紹介する速報版などを含め、年間発行回数は7回ほど。弘学館中の新聞部と協力して新聞を作っています。50年後の佐賀は、部員4人でアイデアを出し合って考えました。

 

=さが総文ではこんなこと=45班が12コース取材、新聞制作

 

 新聞部門のメインは、県内12コースに分かれて行う取材・新聞制作だ。全国から集まった新聞部員約450人が県内各地をとび回って取材し、新聞を作る。

 ユネスコ無形文化遺産にも登録された唐津くんちの曳山(やま)を取材する唐津コース、サガン鳥栖や中冨記念くすり博物館を訪ねる鳥栖コースなどで取材する。B4サイズ裏表の新聞を作り、講師らが講評する。

 初対面の部員らが10人ずつの班を作り、編集長やカメラマン、記者などの役割を決める。取材を進めながら、リアルタイムで取材の模様をSNSで発信していくという。

 会場では、コンクールを勝ち抜いた各都道府県3校の学校新聞も紹介する。佐賀市のメートプラザ佐賀で、7月27日から8月1日まで展示する。

 全国の新聞部員の目に、佐賀の地はどう映るのか?全国に発信される佐賀情報に注目したい。

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