発掘調査中の三重津海軍所跡と、新設されたコンクリート製造工場(対岸の建物群の左側部分)=佐賀市川副町

 佐賀市のユネスコ世界遺産「三重津海軍所跡」の対岸に新設された工場を巡り、佐賀市や大川市などでつくる「佐賀地区管理保全協議会」は21日、景観への影響は最小限に抑えられているとして「負の影響を与えるものではない」と結論づける評価書をまとめた。これを受けて内閣官房は月内にも、外務省を通じてユネスコに報告書を提出する。

 三重津海軍所跡は世界遺産「明治日本の産業革命遺産」の一つで、周辺の早津江川を挟んだ佐賀、大川両市には景観保全エリア「緩衝地帯」が設けられている。

 新設されたコンクリート製造工場は大川市大野島に位置し、景観法に適合している。この事業者が所有する既存の資材置き場を転用し、高さ24メートルのプラントをはじめ、高さ21メートルのセメントサイロ2基などを設けた。昨年3月下旬に着工し、今月末に工事を終え、2月から操業する予定。

 佐賀市側の要望に応じて、工場側は建物の色を周囲に溶け込むベージュ系とし、社名表示もロゴだけにとどめるなど景観に配慮してきた。協議会は「世界遺産の顕著な普遍的価値、完全性・真実性に負の影響を与えるものではない」「事業者(工場)と大川市、佐賀市による協議を通じて影響を最小化する施工がなされており、今後も協議・情報共有を図れる体制を確立している」と結論づけた。

 協議会に参加した内閣官房の担当者は、三重津のケースとともに、緩衝地帯の高さ規制の一部を変更する山口県萩市の「萩城下町・松下村塾」の報告書を併せて取りまとめた上でユネスコ世界遺産センターへ提出するとした。

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