再生可能な生物由来の資源「バイオマス」の最も効率的な活用方法を、地域単位ではじき出すシミュレーションソフトウエアの開発プロジェクトが今月から始まった。2022年度までの国家プロジェクトで、先進的なバイオマス関連施設が整っている佐賀市をモデル都市に、経済性と、環境への影響の両面から評価・予測できるソフトの実現を目指す。

 政府が進める「戦略的イノベーション創造プログラム」の一環で、産業技術総合研究所をリーダーに、佐賀市のほか、佐賀県と県地域産業支援センターも参加する。

 佐賀市は「バイオマス産業都市」を掲げ、廃棄物がエネルギーや資源として地域で循環するまちを目指している。これまでに清掃工場から排出される二酸化炭素(CO2)を分離・販売し、下水浄化センターから出る汚泥をたい肥化、発電にも活用してきた。

 こうした取り組みから、清掃工場のCO2を使って藻類を培養する企業が進出するなど成果が表れてきているが、現在は各産業がそれぞれ独立してバイオマス資源を活用しているため、エネルギーや資源のロスが生じている可能性がある。

 新開発のソフトは、各産業やバイオマス関連施設を結びつけた場合に、どのような効果が得られるか、環境への負荷がどう変化するかなどを予測する。新たな産業が生まれる可能性もあり、行政の政策立案や投資などの意思決定を支援するツールとして役立てる。

 今月15日に「キックオフ」会合を開き、今後のスケジュールや課題などを確認した。3月までに佐賀市で利用できるバイオマスの量を調査し、各産業をどのように結びつけられるかを特定する。その後にソフト開発に着手し、5年後には国内の別の都市や、アジア地域の事例にも対応できるレベルに進化させる。

 市新産業推進課は「研究機関や企業が距離的に近い佐賀市のロケーションがモデルに適している。先駆的な取り組みにより、市への企業の投資が期待でき、新たな技術の導入にもつながる」と期待している。

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