マスクをして社内をうろうろしていると「もしかして風邪?」と警戒する声が。「いえ、これ予防です」。全国的に猛威を振るうインフルエンザ。マスクに手洗い、人混みを避け、乳酸菌飲料を飲んで万全な対策を取る◆こんな大変な時期に受験生にとってはいよいよ正念場の大学入試センター試験。きょう19日と20日に実施される。20日は1年のうち最も寒い「大寒」ときており、体調管理を考えるとなんとも気の毒である◆過酷な試験で知られる中国の官吏登用試験「科挙」は、四書五経の文字43万字を暗記しておくことが必要だった。1日に100字暗記しても12年かかる。この科挙に合格した日本人が遣唐使として留学していた阿倍仲麻呂(あべのなかまろ)。50歳で合格できれば若い方だといわれた中で、仲麻呂は20歳そこそこだった◆科挙の難関度を端的にいうと100万人が受験して、晴れて「進士」の称号を得たのが300人。倍率は3千倍を超す。当然のことながらほとんどは何度受験しても合格できず、失意のどん底を味わった◆〈咳(せき)をしても一人〉。東大法学部出身のエリートでありながら、放浪の旅を続けた尾崎放哉(ほうさい)は孤独感をそう詠んだ。受験勉強も孤独な戦いだ。だれも助けてくれない。時に一人咳をしながら黙々と問題集と向き合ってきたろう。せめて万全な体調でと願うばかりだ。(丸)

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