「白衣を脱いだらお坊さんと間違いそうな風貌。地域の人たちに身近で、安心を与えてくれる『平成のあかひげ先生』です」。3年前の本欄「私たち元気印」の記事そのままの人だった。

 阿部智介さん(38)。七山診療所の所長。1981年、民間医院の廃業で無医村となった旧七山村に父孝昭さんが開業。その背中を見て育ち、6年前、急逝した孝昭さんの跡を継いだ。親子2代で山あいの村の人々と暮らしを見守る。

 なかなかお会いする機会がなかったが、年末、「ろんだん佐賀」の新執筆者を探す本社デスクの電話に、阿部さんのことが浮かんだ。

 連絡を取ろうと電話をかけると「診察中です」。午後まで待ってかけ直すと「巡回診療に出かけました」。多忙な日々。土曜日の診療終了後、やっと会えた。

 七山地区の人口は約2000人。合併後600人以上減り、高齢化率は4割を超す。人口縮減、超高齢化社会の現実がそこにある。

 生き暮らした場所で安らかに最期を迎えたい。多くの人がそう願うが、介護の負担、家族関係など現実は厳しい。

 阿部さんの1回目の稿は20日。山の空気を感じながら「命」と「暮らし」を考えていきたい。(唐津支社長・吉木正彦) 

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