きょう14日は「成人の日」。今年の新成人は、改元の年に大人の仲間入りをするという、節目の世代になる。少子高齢化が進む一方で、AI(人工知能)など第4次産業革命の中心を担う世代でもある。柔軟な発想と機敏な行動力で新時代を切り開いてほしい。

 新成人が生まれた1998年は、「失われた10年」といわれる低成長時代の真っただ中。前年の97年に消費税増税があり、家計が窮迫。北海道拓殖銀行が経営破たんし、山一証券は自主廃業した。98年には日本長期信用銀行、日本債券信用銀行が相次ぎ破たん。企業は存続のために非正規雇用を増やし、賃金格差が広がり始めた。

 それから20年。日本経済の足取りはまがりなりにも力強さを取り戻し、近年の雇用情勢は、求職者に有利な「売り手市場」が続く。「就職氷河期」といわれた世代に比べると恵まれた時代にあり、やりたい仕事、職種に就ける可能性は大きい。将来、何をやりたいか。成人の日にもう一度、自分に問いかけてみよう。

 新成人は、携帯電話やパソコンが各家庭に普及し始め、生まれた時からインターネットが身近にあって当たり前の世代でもある。デジタル社会の可能性を追求する先頭に立ってほしい。

 もう一つ、新成人に当てはまる特徴は、同世代の人数が少ないこと。1990年の出生率「1・57ショック」以降、子どもの数は右肩下がり。今年の佐賀県の新成人は8894人で、前年より12人増えたものの、ピークだった1970年の1万7127人に比べると、ほぼ半減。2009年から11年連続で1万人を割り込んでいる。

 全国も同じ傾向で、今年の全国の新成人は約125万人。総人口の1%にも満たない。出生率を上げていかない限り、人口問題は解決しない。逆に、少なくとも今後20年は人口減を前提とした社会、地域づくりを考えていく必要がある。その中核を担うのは新成人を中心とした今の10~20代だろう。もちろん、各世代が力を合わせないといけないが、20~50代は、その時代の責任世代と考える。

 新成人は、同世代の人口が少ない分、一人一人にかかる負担、責任が増す。大げさに聞こえるかもしれないが、一人一人が能力を高め、次世代リーダーとなる自覚と決意を持ってほしい。

 新成人を迎える側の企業や地域も、若い世代の可能性、能力の芽を見いだし、育て、積極的に登用しよう。権限を与えなければ覚悟や責任感は生まれない。改元がある今年は時代の変わり目。社会のあらゆる分野で、次の世代にどうバトンをつないでいくかが問われてもいる。

 簡単には先が見通せない時代。新成人も自分たちの前途が明るく、楽な道のりになるとは思っていないだろう。ただ、若い世代は、ちょっとしたつまずきは気にせず、突き進んでいく勇気を持っている。経験を補って余りある行動力が若者の武器といえる。実際、中高年世代が思いつかない発想、技術で大学在学中に起業する学生も増えてきた。

 成人の日にあたり、新成人の皆さんにはぜひ、10年後の未来を考え、誰かに任せるのではなく、自ら行動に移してほしい。若者の活躍が活力となり、社会や地域も変わっていく。(中島義彦)

このエントリーをはてなブックマークに追加