「板に付く」「お家芸」「御曹司」「大詰」「愛想づかし」…。江戸時代、興隆をきわめた歌舞伎由来の言葉はいくつもある◆最も得意とすることを指す「十八番」。江戸歌舞伎を代表する大名跡、市川宗家が代々にわたって得意とした歌舞伎十八番の台本を箱に入れて秘蔵し、これを「おはこ」と敬意をこめて呼んだことに由来し、現代にもしっかり生きている◆際だつその芸で大衆を魅了し人気を博した役者の中で、1年に千両をも稼ぐ者が「千両役者」。1721(享保6)年、二代目団十郎が給金千両を得たことで、この言葉が誕生したそうだが、市川海老蔵さん(41)が、その大名跡「団十郎」を十三代目として東京オリンピックの年、2020年5月に襲名する◆「計り知れない名跡の重み。己の命の限り、懸命に生きていきたい」と緊張しながら意欲を語っていた。歴史から学び、それを受け継いでいくことの大切さと覚悟を思うが、明治維新150年に合わせ県内各地で昨年3月から304日間にわたって開かれた「肥前さが幕末維新博」が閉幕した◆期間中の累計来場者224万人。ふるさと佐賀の偉大さを再認識した、まさに歴史に残るイベントとなったが、維新博で学んだものをこれからどう生かし、未来へつないでいくかが大事だ。郷土の誇りをしかと醸成していきたい。(賢)

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