太良町森林組合が建設した製材所=太良町大川内

県内有数の銘木「多良岳材」の出荷作業。枝打ちや間伐など管理が行き届く=太良町

 「多良岳200年の森」づくりを進める佐賀県の太良町森林組合は、新たに自前の製材所を設ける。林業を取り巻く環境が厳しさを増す中、色つやよく仕上がる「自然乾燥」を採用した優良材にこだわり、高品質の「多良岳材」を供給する。将来的には業者と協力し、個別のニーズに沿った家造りの受注体制を確立させ、健康住宅や内装材の需要を見据えた「林業の6次産業化」を目指す。

 マンションなど共同住宅を中心に、鉄骨や鉄筋コンクリートなど非木材の家が増加。国内の木材需要は減り、価格が低迷、廃業に追い込まれる製材所も少なくない。森林組合が自前の製材所を持つ取り組みは、林業が廃れていく現状に逆行し、森林所有者の所得向上につなげる、新たな挑戦となる。

 多良岳山系の杉やヒノキは枝打ちや間伐が徹底され、県内でも有数な林業産地。市場に出荷している原木丸太は、年輪幅が整っていて節が少なく、高い評価を得てきた。製材では、最も歴史の古い「葉枯らし自然乾燥」を採用し、時間をかけて水分を抜く。木の本来の材質を崩さず、香りや色つやのよい製品が仕上げる。設計に沿った建築材への加工で、付加価値が生まれる格好だ。

 同町大川内に建設した製材所は約300平方メートル。県と町から3分の1ずつ補助を受け、約3千万円で整備した。昨年7月に着工、今月28日に落成式を開く。敷地は約1万平方メートルあり、本年度から3カ年で乾燥土場や製品の保管倉庫、管理棟を設置する。総事業費は約8千万円。

 組合は1979(昭和54)年から「枝打ち100万本運動」を推進、84年から銘柄材作りに力を注いできた。村井樹昭組合長は「製材所の建設は長年の目標だった。収益を所有者に還元する林業振興で、公益的機能を持つ森林を未来に維持していきたい」と思いを語る。

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