お金の心配しなくて研究に打ち込めたら-。研究者なら誰もがそう思っている。基礎研究者ならなおさらであろう◆昨年、ノーベル賞を受賞した本庶佑(ほんじょたすく)・京大特別教授(76)。この偉大な研究者でさえ研究費工面の苦労が身にしみているから、自身のノーベル賞賞金を原資として研究者支援の「本庶佑有志基金」を設立されたのだ。早速、本庶さんの知人から1億円の寄付があったという◆研究者を思う惜しみない応援には頭が下がるが、一方で本庶さんと、本庶さんの研究を基に開発されたがん治療薬「オプジーボ」を販売する小野薬品工業との関係がぎくしゃく。本庶さんらのチームは、研究を実用化した小野薬品工業と共同で特許を取得。産学連携の成功事例として称賛されるが、ここにきて特許対価を巡っての“仲たがい”◆「食い逃げはあり得ない」と販売利益の一部を基金に求めている。青色発光ダイオード(LED)の発明対価を巡るノーベル賞受賞者中村修二氏と企業の対立(2005年和解)を思い出すが、奇特な研究者にはいつも穏やかに好きな研究に没頭させたい◆天皇・皇后両陛下が年頭に講義を受けられる「講書始の儀」が今日、皇居で開かれる。平成最後となる「講書始」。本庶さんが仲むつまじいお二人に「免疫の力でがんを治せる時代」のテーマで進講される。(賢)

このエントリーをはてなブックマークに追加