1970年に建設された唐津市民会館。右奥は曳山展示場=唐津市西城内

 唐津市西城内の唐津市民会館の建て替え問題が、今年の市政課題に浮上している。昨年8月には冷房機器が故障して施設利用のキャンセルが続き、老朽化の弊害が市民にも及んだ。建て替えに向けて「待ったなし」の状況だが、現地か、移転かも含めて検討中で、適地探しに苦心している。

 4日の新春記者会見。建て替え計画の進展を問われ、調整を進める政策部の脇山秀明部長は「JR唐津駅から2キロ圏内で探しているが、候補地になる所がほとんどない」と明らかにした。

 市民会館は築49年で、耐震診断で震度6強で倒壊・崩壊の「危険性がある」と判断されている。市は昨年度に耐震補強でなく、再整備を決定。昨年3月の市議会で、新施設の利用開始を2024年度と見越し、「18年度に市民も交えた検討委員会で方向性を定めていく」と当時の担当部長が答弁していた。だが現時点でも委員会は開かれず、前段となる庁内での協議でストップしている。

 現状の1200席よりも少ない千人規模のホールにすることで調整が進んでいるが、市中心部にまとまった土地はない。2キロ圏内とした理由を脇山部長は「公共交通機関が十分ではない状況では、郊外移転は市民の理解が得られにくく、コンパクトシティーの考え方に基づくべきと考えた」と説明する。

 唐津駅前にある市施設「ふるさと会館アルピノ」の敷地が候補地とみる向きもあったが、市は「手狭で代替地にはならない」と判断し、退けた。アルピノは昨年12月に建物売却と土地貸し付けの方針が示されている。

 現施設は老朽化だけでなく、駐車場不足も深刻。近隣の有料駐車場もあるが、建設当時は車社会を想定せず、専用駐車場は現在55台分と少ない。新施設は駐車場が最大600台、敷地は1万5千平方メートル程度が必要と想定(現在は曳山展示場を含め、関連敷地は約1万平方メートル)。条件がそろう市有地として16年8月に移転した旧唐津赤十字病院(二タ子)の跡地があるが、健康サポートセンターなどで今春から活用が始まる。検討の遅れが選択肢を狭めている側面もある。

 ここに来て「現地建て替えしかない」という声も上がる。ただそうなれば、建設工事にかかる2年間、利用できなくなる。隣接地に同時にできた曳山展示場のあり方も十分な協議が必要になる。

 市は民有地の買収も含めて検討し、新年度に方向性を示すという。財源を含め、庁内論議の行方が注目される。

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