長崎県知事との会談内容を報道陣に説明する佐賀県の山口祥義知事=佐賀市のホテルニューオータニ佐賀

 九州新幹線長崎ルートの整備方式の見直しを巡り、佐賀県の山口祥義知事と長崎県の中村法道知事が9日、2人だけで臨んだ会談。全線フル規格化を求める長崎県のトップの働き掛けが、佐賀県知事選が終わって1カ月足らずで実現した格好だ。整備方針を決める与党検討委員会の委員長も山口知事と面会する日程の調整に入っており、今回の会談を糸口に、フル規格を求める攻勢が強まることを佐賀県側は警戒している。

 会談は長崎県側が、山口知事が12月16日に再選された直後に持ち掛けた。「当選祝いを兼ね、懇談の場を設けてほしい」という申し入れだった。昨年7月にフリーゲージトレイン(軌間可変電車)の導入が断念された後、山口知事は巨額の追加負担が伴うフル規格化に否定的な主張を繰り返していたため、長崎県側は頭を抱えていた。

 昼食も兼ねた佐賀市のホテルでの会談は、長崎県側の意向で非公開だった。随行者を伴わず、両知事だけが個室で自由に話す形で行われた。終了後、別々に報道陣の前に現れた2人は沿線地域として連携できる部分や協議の必要性を述べ、協力関係にあることを示してみせた。

 ただ、佐賀県関係者は「山口知事は選挙で『フル規格にしない』と明確に主張して再選している。こうした形で要請されても動きようがない」と話す。

 膠着(こうちゃく)状態が依然として続くように見える中、与党検討委員会の山本幸三委員長(衆院福岡10区)と山口知事の面会が調整されている。山本氏が山口知事を訪ねるのは昨年8月、フル規格かミニ新幹線の二択で検討を進めることへの協力を要請して以来で、論議を加速させたい思惑がにじむ。

 9日の会談終了直後、成果を報道陣に問われた中村知事は「なかなか難しい」と認めつつ、与党検討委員会の動向に応じて両県の協議が進むことへの期待をのぞかせた。

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