スーツ姿ではあったが、履いていたのはスリッパだった。逮捕から50日余りを経て東京地裁の法廷に現れた日産前会長のカルロス・ゴーン容疑者。靴ではなくスリッパだったのは逃走防止のためという。痩せて見えた様子に長い勾留生活を指摘する声もあった◆おとといの「勾留理由開示」手続き。カリスマ経営者が何を語るのか、海外でも高い関心を集めた。本人は無罪を主張した上、日産への貢献を口にすることで犯罪者ではないとアピールしたが、その主張はむしろ海外向けにも見えた◆海外メディアの関心の背景には陰謀説や日本の司法制度への疑問がある。閉廷後の会見で「日産内のクーデターか」と質問があったように、海外ではゴーン容疑者が内部抗争に巻き込まれたのではないかとささやかれている◆さらに、法にのっとった手続きではあっても、弁護士不在の取り調べや否認すれば勾留が長引く司法の在り方に「これが正義なのか」と疑問も上がった。長期勾留で自白を強いるかのような捜査手法が問題視されたのだ◆当初は報酬額の問題にゴーン容疑者の「おごり」を指摘する声もあったが、世界レベルからいって高すぎるのかという意見も。もはや日本的な感覚だけでは語れない様相だ。事件の真実を探ると同時に、海外から問われていることは何かを知る機会でもある。(丸)

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