仕事始めのくるまおろしでろくろに向かう深川聰さん=有田町の深川製磁

 有田町の深川製磁で8日、ろくろの仕事始めとなる「くるまおろし」が行われた。熟練の職人が気持ちを新たにろくろに向かい、今年改元を迎える皇室で使用される食器を制作した。深川一太社長(70)は「いいものを作ることが、有田焼の未来をつくる」と、商品作りへの思いを語った。

 くるまおろしは、1894(明治27)年の同社創業以来続く新年の恒例行事。工場での神事で1年間の繁栄と安全を祈った後、同社芸術室の深川聰さん(62)が、しめ縄などを飾ったろくろ場で茶わんを成形した。

 皇室の食器制作について、同社はこれまで公表してこなかったが、深川社長は皇室内で使われるものを除き、一般に配られるものは時期をみて公表する方針を示した。同社が制作し、高円宮家の三女絢子さんが昨秋に結婚した際の引き出物ボンボニエールをめぐり、「ネットで制作会社のフェイクニュースが広がった。皇室の食器を作っているという職人の誉れ、矜持(きょうじ)を傷つけたくない」と理由を話した。

このエントリーをはてなブックマークに追加