作品の出来栄えを確認する十四代今泉今右衛門さん=7日午前、西松浦郡有田町の今右衛門窯(撮影・山田宏一郎)

窯から取り出した作品について説明する井上萬二さん=7日午前、西松浦郡有田町の井上萬二窯(撮影・山田宏一郎)

  西松浦郡有田町の2人の重要無形文化財保持者(人間国宝)の窯で7日、仕事始めの「初窯出し」があった。色鍋島の十四代今泉今右衛門さん(56)と、白磁の井上萬二さん(89)が、昨年12月下旬に火を入れた作品の焼き上がりをチェックし、出来栄えに納得の表情を見せていた。

今泉今右衛門さん「変わる時代に挑む」

 今右衛門窯では神事の後、薪(まき)窯の入り口のトンバイを取り除き、新作など約330点を取り出した。

 初めて取り組んだ雪と松がモチーフの「色絵雪花薄墨墨はじき雪松文蓋付(ゆきまつもんふたつき)瓶」の大作を手に取った今右衛門さんは、釉薬の溶け具合や絵の具の発色を確認した。「無事にいい色に上がり、ほっとしている」と表情を緩め、「刻一刻と移り変わる時代に挑み、人の手で作る色絵の世界を追求していきたい」と抱負を述べた。

 作品は4月の東京・日本橋高島屋、10月の福岡・三越での個展などに出展する。

井上萬二さん「常に創造、挑戦を」

 井上萬二窯では、萬二さんと長男康徳さん(60)、孫祐希さん(30)の親子3代で約150点の出来を入念に確かめた。

 萬二さんは、ペン先を小刻みに動かして彫った淡い呉須の牡丹(ぼたん)が印象的な「白磁牡丹彫文面取(ちょうもんめんとり)花瓶」や、ムツゴロウなどの魚を描いた新作に挑んだ。「旅や人との物語から作品を生み出す。新作を作る過程からも新たな発想が生まれる。常に創造、挑戦」と意欲を見せていた。

 43年連続となる6月の東京・銀座和光での個展をはじめ、全国各地で作品を披露する。

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