野球教室の抽選会で、楽天古川投手から参加者に手渡されるハタケヤマのグラブ=神埼中央公園

プロ野球県人会に参加した広島の緒方監督らと言葉を交わす畠山佳久さん(右)=神埼中央公園

 佐賀県出身プロ野球県人会が開催する野球教室をスタート当初から支える野球用品メーカーがある。大阪市に本社を置く「ハタケヤマ」(畠山佳久社長)。有名プロ野球選手のグラブを、すべて職人の手作業で製造する企業が、34年続けて抽選会の商品を提供するなど、子どもたちに夢を与え続けている。昨年12月の野球教室にも畠山社長自らが姿を見せ、グラブなどをプレゼントした。

 ハタケヤマはこれまで、元阪神監督の金本知憲氏や阪神やホークス(現ソフトバンク)で活躍した下柳剛氏、中日で監督を務めた谷繁元信氏ら名だたるプロ選手のグラブを手掛けてきた。また“甲斐キャノン”の愛称で知られ、昨年の日本シリーズでは盗塁を6連続で阻止するなどして最優秀選手賞に輝いたソフトバンクの甲斐拓也捕手のキャッチャーミットとプロテクター製造も担っている。

 グラブなどを抽選会の商品として提供し始めたのは1985年。オリジナルブランドの立ち上げと当時の取引先が倒産したことがきっかけだった。「道具を使ってくれていた永尾(泰憲)さんや加藤博一さんと仲が良くて。博一さんに『佐賀県人会をやるから何かしてもらえないだろうか』と相談を受けた」ことで決意した。

 初めはクリスマスプレゼントの意味を込めていたという。畠山さんは「支えるというほど、支えてはいないけどね」と照れくさそうに話す。大阪市で生まれ育ち「田舎がない」という畠山さんにとって、佐賀は年に一度帰るいわば故郷のような場所。「博一さんと出合っていなければやってなかっただろうね」と語る。

 第1回から商品提供を続けて34年。畠山さんは「永尾さんが太良高監督になって県人会に来られないのはさみしいけどね」と心の内を明かす。それでも「子どもたちの喜ぶ顔が見たい」と力を込める。これから先も続く教室に「できる限りの範囲で提供を続けていきたい。おれの体が続く限りはここにも来たいね」。これからもプロを目指す子どもたちの背中を押していく。

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