2020年夏の東京五輪・パラリンピックに向け、新年は日本代表の座を懸けた選考レースが徐々に本格化する。各競技とも夢をつかめるのは一握りで、ベテランも新人も挑戦者の立場に変わりはない。大舞台で躍動する自身の姿をイメージし、厳しい練習を重ねている佐賀県関係の選手たちの躍進に期待したい。

 「何よりも『試合見に行くよ。頑張って』という声が自分の力になっている」。元日の特集面で紹介したボートの福本温子選手(唐津商高出身、トヨタ自動車)の周囲への感謝の思いである。12年のロンドン五輪に出場した福本選手は昨年の全日本選手権で優勝。2度目の夢舞台を目指している。

 佐賀新聞は県民とともにふるさと選手を後押ししたいと、その活躍を伝えているが、18年は例年に増して明るい話題が多かった。

 セーリングの岡田奎樹選手(唐津西高出身、トヨタ自動車東日本)は東京五輪プレ大会のワールドカップ(W杯)江の島大会で優勝。自転車ケイリンのW杯では小林優香選手(鳥栖市出身)が銅メダルに輝き、同種目の日本女子で初めて表彰台に立った。バドミントンの嘉村健士選手(唐津市出身、トナミ運輸)は世界選手権で銀メダルを獲得。アジアパラ大会では車いすテニスの大谷桃子選手(西九州大)が銅メダルを手にした。

 団体競技では、ソフトボールの藤田倭選手(佐賀女子高出身、太陽誘電)が投打の二刀流で日本のW杯準優勝に貢献。久光製薬(鳥栖市)の石井優希選手らは世界バレーで躍動した。サガン鳥栖の田川亨介選手(高志館高出身)はU-20日本代表の主力として活躍し、日米野球ではDeNAの濵口遥大投手(三養基高出身)が力投した。各競技で数多くの県関係選手が奮闘しているのは県民として誇らしい限りである。

 選考レースでまず注目されるのは9月のマラソングランドチャンピオンシップだ。一発選考の試みで男女代表各3人のうち2人が決まる。過去には代表選考が疑問視されたこともあり、透明性を確保する狙い。レスリングは世界選手権のメダル獲得者を代表に決定する。その他の競技も日本選手権や世界選手権の成績などを基準に客観性や分かりやすさを保つ方針。選手たちは20年春にかけて本格化する選考レースで磨き上げた力を最大限発揮する必要がある。

 佐賀県では東京五輪後の2023年に国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会佐賀大会が開かれる。県は大会準備や選手強化に本腰を入れ始めているが、県関係選手が東京五輪で活躍すれば、何より盛り上げにつながるだろう。できるだけ多くのふるさと選手が五輪切符を獲得できるように応援してほしい。新たな力の台頭にも期待したい。(杉原孝幸)

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