パーキンソン病を患いながらも意欲的な創作を続けた故林田龍信さん(2015年撮影)

 難病のパーキンソン病を患いながら、2017年12月に亡くなるまで創作に打ち込んだ佐賀県小城市の画家、林田龍信さん(享年65)の回想展が4日、小城町のゆめぷらっと小城で始まった。大作から小品まで約60点を展示、企画した有志は「最期まで衰えなかった創作への意欲を知ってほしい」と話し、5日午後5時からは「偲しのぶ会」も開く。

 林田さんは小城高校卒で、浪人時代は同校で美術を教えていた金子剛さん(79)=東光会理事、佐賀市=に師事した。細密なデッサンが持ち味で、佐賀大学の旧特設美術科を卒業後、北方中学校や旧養護学校などで美術教諭を務めた。県内外の公募展で入選も果たし、08年に教職を退いてからは制作に専念していた。構成による抽象表現から人体、骨格、風景、植物の緻密な描写まで多様な作品を手掛けた。

 脳の神経伝達物質を作る神経細胞が失われ、体の震えやこわばりが出るパーキンソン病を患ったのは約10年前。それでも、金子さんが風景のスケッチを勧めると、県内各地に足を運んで筆をとり、個展も開いて新たな表現を模索し続けた。

 中学から大学にかけての同級生で友人の画家、中尾和紀さん(66)=佐賀市=は「『力が入らない』などと漏らすことはあったけれど、病気になったことを悔やんだり、弱音を吐いたりすることはなかった。とにかく描きたいという思いが強かった」と振り返る。

 林田さんは、小城高で金子さんから指導を受けた人たちでつくる「黄美おうび会」の作品展に向けて制作を続けていた17年12月8日に急逝した。この展覧会では未完成の2作品が飾られた。

 回想展は林田さんの高校、大学の後輩で元中学教師の平江潔さん(61)=多久市=が企画した。「亡くなる直前まで制作に打ち込んだ『たっちゃん』の確かな仕事ぶりは、残した作品が証明している」と話し、鑑賞を呼び掛けている。

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