佐賀西高放送部での思い出を語るNHK熊本放送局キャスターの野方美郷さん=熊本市のNHK熊本放送局

NHK熊本放送局で昼の情報番組のキャスターを務める野方美郷さん=熊本市のNHK熊本放送局

 高校文化部の祭典「第43回全国高校総合文化祭(2019さが総文)」が7月27日から、佐賀県内で開かれる。全国から高校生2万人、保護者ら観覧者10万人が訪れる一大イベントで、生徒実行委員を中心に着々と準備が進んでいる。今夏迎える本番を前に、高校時代の文化部活動から第一線のキャスターにはばたいた先輩にインタビューした。


NHK熊本放送局キャスターの野方美郷さん(28)は高校時代、文化部活動に打ち込み、夢をかなえた先輩の一人。佐賀西高放送部員として九州大会2連覇、全国大会に3年連続で出場した。佐賀西高放送部にとって“伝説の先輩”である野方さんに、部活動の思い出や来年の総文祭に向けて頑張る高校生へのメッセージを聞いた。

 小学生ぐらいからテレビで見るアナウンサーに憧れていました。最初は先生が「教科書読むのうまいね」と言ってくれて“勘違い”しちゃった(笑)。

 高校1年の春、佐賀総体(2007年)開会式のアナウンスに応募したくて放送部に入りました。10人の司会に選ばれて、「頑張るぞ!」って感じの運動部の熱に触れて圧倒されましたね。

 原稿を上手に読める快感より、原稿のネタや面白い話を誰かに伝える楽しさがありました。ちらっと客席の反応を見て「私の話、面白いと思ってくれているかも」っていうのが楽しかったです。「こんなことあったから聞いて!」ってタイプなので性に合っていたかもしれません。教室のベランダで発声練習をやっていて、当時はみんなに見られるのが恥ずかしかったですけど(笑)。

 高校の頃は九州大会で2連覇したり賞をたくさんいただいたので、成功体験っぽいですけど、できなかった経験の方が今もすごく残っています。3年生の全国大会では10人しか残れない決勝を目指したけれど全然だめでした。九州で優勝していたら、あそこに入りそうなもんですけど(笑)。「私の放送人生はこれで終わるのかしら…」ぐらいに落ち込んでいました。

 最後の大会は気合が入りすぎたのか、何のネタで書くかものすごく時間がかかりました。録音した自分の読みを聞いても、どんな読み方がよいのか分からなくなったり。でも、その悔しさがあるから今があると思います。

 本格的にメディアの仕事を考えたのは大学時代。教員免許を取るための研修で老人ホームに行った時、皆さんテレビの時間を楽しみにしていらっしゃいました。派手じゃなくても見ていてほっとする番組を、そんなおじいちゃんたちのために作るっていいなと思いました。

 アナウンサー試験は東京から西側で60社以上は受けましたね。途中で学校教諭の道も考えましたが、ここまで来たら最後までやろうと思いました。大学4年生の1月頃、電車の中でNHK佐賀放送局から内定通知の電話が来て、急いで駅に降りて電話しました。涙で前が見えなかったです。

 今はニュース、情報番組を担当しています。自分でネタを見つけて取材して、撮影・編集し、放送する。その全工程をやることも多いです。その分思いが深くなるし、お礼の言葉やよかったと言ってもらえることもあります。面白いと思ったことが伝わると、やりがいを感じますね。

 文化部の皆さんが、もし「私がやっていることって、日の目を見ないから」と思っていても、それをやり続けることが大事だと思います。私は好きなことを続けたから今につながっています。メディアの仕事は特に、経験して無駄なことは本当に何もない。何に興味を持っていても生かせる仕事です。文化部は普段の活動が見えにくいところがあるので、総文祭はアピールできる絶好の機会。みんなに認めてもらえると「あのとき頑張れたから、できるはず」と何をやるにも自信がつきます。よい思い出になるよう一生懸命楽しんでください。


 のがた・みさと 佐賀市出身。2013年にNHK佐賀放送局キャスターとして入社。佐賀のニュース番組「ニュースただいま佐賀」のキャスターを3年間務めた。18年4月からNHK熊本放送局キャスターとして情報番組「テレメッセくまもと」やラジオ、ニュース番組を担当する。

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