「元号を『戦後』にしてはどうか」。終戦の翌年、憲政の神様と呼ばれた尾崎行雄が衆議院議長に意見書を提出した。GHQ(連合国軍総司令部)の支配下で皇室典範が制定されたとき、元号に関する規定が消えていたころのことである◆東京大学史料編纂所の山本博文教授編著『元号』によると、第2次大戦で敗れた1945年限りで「昭和」を廃止、1946年を「戦後元年」として以後、無期限に「戦後○年」の表記を用いるという。これでいけば今年は「戦後74年」となる。「戦後○年」のほか「新日本○年」との案もあったようだ◆一方、同じ政治家の石橋湛山(たんざん)は元号を廃止し、西暦にすればいいとの意見を発表していた。参議院では元号廃止が議題になったことも。しかし、元号は国民に広く浸透しており、昭和54年の国会で元号法が成立。「平成」への改元はこれに則って行われた最初となった◆1日の本紙に各界の人が考える新元号が紹介されていた。一歩ずつ自分で進む「自進」、日本人の原点に返り時代を築く「維新」、誰もが安心して生活できる「安生(あんせい)」、多くの人に祝福される「慶新」、希望という光に向かって進む「光進」◆どの元号も新しい時代にかける思いがあふれていた。新元号は5月から。さてみなさんにとっての新しい元号は? どんな願いを込めますか。(丸)

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