鳥栖-浦和 前半、ドリブルで攻め込む鳥栖FWトーレス=2018年08月11日、鳥栖市のベストアメニティスタジアム

 「昨季、夏場の補強がなかったらどうなったのか」-。そう感じているサポーターも多いことだろう。元スペイン代表FWフェルナンド・トーレスは昨年7月、サガン鳥栖に電撃加入し、後半戦17試合に出場。献身的なプレーで仲間を鼓舞し、チームをJ1残留に導いた。2年目の今季はエースストライカーとしてさらなる奮起と飛躍を誓う。

 「J1残留という難しい挑戦に立ち向かい、目標を達成できた」-。敵地でアジア王者・鹿島と引き分け、J1残留を決めた昨年12月1日の最終戦後、キャプテンマークを巻いたトーレスは充実した表情でこう振り返った。
 日本中のサッカーファンから注目を浴び、鳥栖入りした世界的ストライカーは、来日1週間後の仙台戦(7月22日)でJ1デビューを果たした。「仲間とのコンビネーションは日を追うごとに良くなっている」。その言葉通り、少しずつ成果を出し始めた。
 スペイン代表時代の盟友・MFイニエスタとの競演に注目が集まった天皇杯4回戦・神戸戦(8月22日)。途中出場を果たすと、来日初ゴールを奪った。4日後のリーグ戦第24節・G大阪戦(8月26日)では1ゴール2アシストの大活躍を見せた。
 9月は得点が生まれず、チームも1勝2分け1敗と波に乗り切れない時期が続いた。湘南戦(10月6日)で敗れ、5試合を残して降格圏17位に後退。直後に前監督のフィッカデンティ氏から交代した金明輝(キン・ミョンヒ)監督は長崎戦(11月4日)からトーレスにキャプテンマークを託した。
 勝利に対する執念は誰よりも強く、相手選手と激しく競り合ってボールを保持。連係がかみ合わない場面では、手をたたいて仲間を鼓舞した。「とにかく1試合ずつ。結果がすべて」と周りの選手にプロ意識を再注入した。
 リーグ戦17試合で3得点。世界の大舞台で躍動してきたストライカーにすれば不本意な部分もあるのかもしれないが、貢献度は数字以上に高かった。謙虚な心でサッカーに向き合い、一切妥協を許さない姿勢が仲間の支えになった。
 「今季はもっといいシーズンにしないといけない。しっかり休んで、いい状態で戻ってくる」。チームリーダーとして新たなシーズンを全力で駆け抜けるつもりだ。

■フェルナンド・トーレス
 1984年3月20日生まれ。スペイン出身。186センチ、78キロ。アトレチコ・マドリードの下部組織で育ち2001年にプロデビュー。リバプール、チェルシー(ともにイングランド)、ACミラン(イタリア)でもプレーした。スペイン代表としては10年ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会で優勝を経験。昨年7月に鳥栖に加入し、リーグ戦17試合で3得点。最終4試合はキャプテンマークを巻き、チームのJ1残留に大きく貢献した。

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