畑にじか置きした防鳥ネットについて話す宮原さん=杵島郡白石町

■野鳥の会、農家ら連携

 佐賀県杵島郡白石町のレンコン畑でカモによる食害対策として、防鳥ネットを畑の上にじかに張る手法が成果を上げ始めている。これまでは畑から1~2メートルの高さにネットを張っていたため、カモが絡まり、年間に50羽ほどが死骸で見つかっていた。新手法を取り入れた農家では、目立った食害も、カモの死骸も確認されていない。町での食害の被害額は年間約450万円に上るだけに、レンコン栽培とカモが共生できる手だてとして関係者の期待が高まっている。

 白石町では例年10月から翌年4月にかけてカモが飛来し、水中のレンコンを食べる被害が後を絶たない。そのため高さ1~2メートルの棒を等間隔で立て、防鳥用の釣り糸(テグス)やネットを天井のように張って食害を防ごうとしてきた。

 それでも、網を張っていない横側からカモが入り込み、水中のレンコンを食べるケースがあった。カモは垂直に飛び立つ習性があり、真上の糸やネットに絡まり死んでしまうケースが目立っていた。2016年には絶滅危惧(きぐ)種の渡り鳥「クロツラヘラサギ」が糸に絡まって死んでいるのも見つかった。

 こうした状況を受け、日本野鳥の会佐賀県支部やJAさが白石地区、町の担当者らが16年から対策を検討してきた。支部は18年10月、カモが横から入ることを防ぐために、防鳥用のネットをレンコン畑にじか置きする手法を町の担当者に提案した。町内約230人のレンコン農家の多くが採用しており、今のところカモの死骸は確認されていない。

 レンコンの被害は例年、寒さが厳しくなり、餌を求めるカモが増え始める1月から2月ごろにピークを迎える。野鳥の会県支部の宮原明幸支部長は「効果の検証はこれからが本番になると思うが、この形であればカモが引っかかるケースは減っていくはず。食害の防止と鳥の被害を減らす手だてになる」と注目している。

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