盗撮やのぞきを繰り返す性依存症(窃視障害)の専門外来を受診した患者が、初診までに盗撮を平均約1千回程度繰り返している実態が、東京都の専門診療機関の調査で分かった。患者の多くは「大卒で家族がいる働き盛りの男性」で、興味本位やストレス発散を動機に盗撮を始めた人も少なくなく、依存の恐れが身近に潜んでいることを示している。

 大森榎本クリニック(東京都)の斉藤章佳・精神保健福祉部長(精神保健福祉士・社会福祉士)が2006年5月~18年6月の約12年間、性依存症を治療する系列の榎本クリニックを受診した患者のうち、長期的に性的な盗撮やのぞきにふける「窃視障害」と診断された406人を分析した。

 患者は全て男性。年代は30代が40%と最も多く、次いで20代33%、40代16%となった。20~30代で7割を占めている。学歴は大卒が46%、在学中や大学院卒を含めると大学進学者で6割を超えた。職業は多い順に会社員49%、学生11%、医療福祉教育関係10%。婚姻歴がある人は52%だった。

 初診までの平均期間は約7・2年。盗撮の頻度は平均週2~3回で、初診までに約1千回程度繰り返したことになる。患者の3割は来院までに10年以上を要していた。依存の深刻さと、盗撮が発覚しづらい傾向をうかがわせる。来院のきっかけは弁護士からの紹介が最多の46%で、逮捕や裁判を機に初めて専門治療に結び付いたとみられる。

 盗撮を始めたきっかけは「盗撮の軽視(興味本位)」が26%で最多、性的関心が18%、ストレスやスリルが17%で、盗撮サイトを見て模倣したケースも15%あった。手口はスマートフォンが66%で、多くが撮影音を消す「無音アプリ」を使っていた。撮影したデータは7割が保存し、大半が自慰に使用していた。

 斉藤氏は盗撮する心理について「他人の日記を盗み読みするような優越感にひたり、やめられなくなっている。動画や画像を保存することで支配欲や所有欲が満たされているようだ」と分析する。

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