年内の調査を終えた佐賀市議会総務委員会=佐賀市

 佐賀市の旧富士小学校体育館改修問題は、調査を進めてきた市議会総務委員会が26日、年内の審議を終えた。9月に問題が発覚して以降に重ねてきた関係者への聴取は越年し、計画を主導した副市長に1月、聞き取り調査をした上で最終的な報告書をまとめる。

 これまでの調査で明らかになったのは、市が不適切な事務処理を重ねて改修を進めた実態だった。総務委は20日の中間報告で、畑瀬信芳副市長を名指しして「個人の指示で進めたことが数多く見受けられ、組織的な業務執行に疑義が生じている」と強く批判した。

 

批判の矛先

 問題が発覚したのは、旧富士小跡地の整備事業の審議中だった。体育館だけが先行している点を不審に思った議員がただし、議会に報告せず、流用した予算約3100万円で改修していた事実が判明した。

 問題視した議会は、この改修を含む前年度の決算を全会一致で「不認定」にした。総務委が11月2日から本格的な調査に入ったが、市は説明を二転三転させ、提出した資料も修正を重ねて事実の確認が難航した。

 審議では、プロスポーツの誘致による地域振興そのものへの批判はなく、巨額の公金が議会や市民の目をくぐり抜けて支出されていた手法や、組織の動きへの追及が続いた。20日の本会議で中間報告をした山下伸二委員長は「市民の大きな不信を招き、議会との信頼関係を大きく損ね、市の業務遂行に大きな影響を与えている」と指摘した。

 議会側が一連の問題の発端と位置付けているのは、畑瀬氏とサガン鳥栖運営会社社長の竹原稔氏との私的な関係だ。2017年10月下旬、畑瀬氏は竹原氏との昼食の場で、プロバスケットボールを目指す社会人チームの発足と練習場の確保の相談を受けたという。

 それ以降、本来の組織運営から逸脱する形での職員の動きが見られ、庁内の手続きも、承認が必要な担当課長が抜け落ちるなど規程に違反していた。工事を急ぐ理由を記した起案書も、窓ガラスが割れて雨水が入って床が腐食しているとしていたが、実際には割れておらず、チームへの練習場提供という本来の目的も説明されないままだった。

 

市民の疑念

 中間報告で山下委員長は、議員からの指摘として「畑瀬氏の指示で非常に短期間で進めなければならないというプレッシャーが職員にかかり、多数の不備が生じた」と述べた。

 市のコンプライアンス基本方針には、利害関係者との付き合い方に「市民の疑惑を招くような接触や交際は許されない」とある。池田一善総務部長は職員の倫理を取り上げた26日の審議で「結果的に市民の疑念を招き、反省すべき点があった。組織としての動きを取り戻したい」と、再発防止を目指す考えを示した。

 総務委は1月10日に畑瀬氏に聞き取り調査をする。ここで十分な結果が得られれば、最終報告書の取りまとめに入るとしている。秀島敏行市長は自らを含めた関係者を処分する考えで、3月議会にも処分案を出す方針だ。

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