職場でのセクハラの防止や事後対応を怠ったため被害に遭ったとし、女性が勤めていたJAさが(本所・佐賀市)に約2440万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、佐賀地裁は25日、「被告に安全配慮義務違反があったとは認められない」として請求を棄却した。原告側は判決を不服として福岡高裁に即日控訴した。

 原告は営農指導員だった2010~11年、業務で組合員の生産者の研修会に同行した際、女性コンパニオンの性的接待を伴う宴会に同席。11年は宴会後に男性組合員から性被害を受け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症、被告に安全配慮義務違反があったと主張していた。

 達野ゆき裁判官は、性被害について「指導員としての業務に内在する危険が現実化したものと評価するのは困難」とし、安全配慮義務の前提となる予見可能性は認められないとした。

 また「農協の組合員は職員ではない」とし、男女雇用機会均等法の指針に基づくセクハラ防止策を講じるのは「一定の限界がある」との見解を示した。その上で、被告が事件後に実施した原告への配慮や再発防止策などの対応について、問題視しなかった。

 判決を受け、原告代理人弁護士は「最後まで裁判所と被告に、女性労働者をセクハラ環境下に放置し続けたという問題の深刻さを理解してもらえず残念」とのコメントを出した。JAさがはコメントしなかった。

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