時代に合わせ人口1万人期待

今後の町づくりを語る武広勇平町長=上峰町役場

 県東部に位置し、県内では数少ない人口が増加している自治体である上峰町。県都・佐賀市と鳥栖市や福岡県久留米市を結ぶハブ的な位置にあり、行き交う人々も多い。一方で、来年2月に地域経済をけん引してきた大型商業施設が撤退するなど、町づくりの大きな分岐点も迎えている。武広勇平町長(39)に今後の町づくりの展望を聞いた。

 

■イオン上峰店の閉店後の再開発について、今後のスケジュールを含めて町長の見解を。
 中心市街地は長年、町の経済をけん引してきた。イオン上峰店の閉店を受け、跡地をどう活用するか検討している。その中で、消費者の意見を聞く「kami女椿の会」や、民間業者の意見を聞くサウンディング型市場調査を実施した。
 町はこれから公民連携計画を作成する。イオン九州から土地建物の無償譲渡が実現した場合、速やかに実行できるように準備を終えている。再開発が実現すると人口1万人の目標を達成できると期待している。

■人口増の要因の一つに子育て・教育支援があると思うが、これまでの成果とこれからの取り組みは。
 子育て支援では、今年からスタディークーポンを始めた。子育ての中で一番お金がかかるのが学校外教育と聞いており、利用者の反応はいい。今後は電子化を進めるなど事務的経費を減らし、対象拡大やサービス拡充につなげていきたい。ネットを活用した英語教育や給食無償化も評判が良く、うれしく思っている。

■上峰町は観光というイメージが薄いが、交流人口を増やす戦略は。
 最近、町づくりは観光じゃないかと思うようになった。まずは町のシンボルである鎮西山を、年間を通して色彩豊かな花や木が楽しめる場所にするよう再整備の計画を立てている。再整備と併せ、中心市街地活性化と連動した観光プラン作りを進めたい。

■町財政は良くなっているという印象がある。
 町長就任時は財政が厳しかったが、ずいぶん改善している。2009年度は基金の年度末残高が6800万円だったが、昨年度は10億6100万円となった。これ以外にも15年度から本格的に取り組み始めたふるさと寄付金基金が26億7500万円あり、財政健全化に一定のめどが立った。

■ふるさと納税が好調だが、町の経済にメリットがある形になっているか。
 ふるさと納税の一番いい側面は自立心を育ててくれることだと思う。例えば米多(めた)浮立保存会は、以前は隔年で50万円の補助金を受けていたが、ふるさと納税で「天衝米(てんつくまい)」の販売を始めてからは利益を出し、そのお金で浮立を維持している。こういう動きを町内に広めていきたい。

■佐賀空港へのオスプレイ配備計画がある。目達原駐屯地のヘリ部隊が移る可能性もあるが、対策は考えているか。
 ヘリ部隊の移設は、県などの協議の推移を見守りたいと思っている。ただ、移設しても、目達原駐屯地が補給処であることは変わらない。物資の保管、輸送拠点であり、防災拠点でもある。これまで同様、連携を深めながら役割分担などしていきたい。

■町制施行30周年を迎え、これからの町政運営への思いは。
 「時代の先へ、一人のそばへ」の理念のもと、町民一人一人に寄り添った行政サービスを届けて、中心市街地を今の時代に合った形に整えていきたい。上峰町は佐賀と久留米と鳥栖のターミナルのような場所。今は通り過ぎているだけだが、“停車場”としての機能ができれば、交流人口が増える。

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