「使い手などいろんな関わりの中で物が生まれていくのが日本の工芸の良さ」と語った十四代今泉今右衛門さん=西松浦郡有田町の県窯業技術センター

 一昨年に創業400年を迎えた有田焼を含む肥前窯業圏で、次の100年に向けた方向性を考える講演会がこのほど、西松浦郡有田町の県窯業技術センターで開かれた。人間国宝の十四代今泉今右衛門さんら窯業関係者5人が業界の現状と課題について提言した。

 佐賀大学肥前セラミック研究センターが主催した。今右衛門さんは「今右衛門における伝統」と題し基調講演。英国の研究者が、かつての有田焼輸出品の素晴らしさは、欧州が求めるものを聞いて的確に作ろうとした考え方にあるとした話を紹介、「グローバル化して世界とつながる現代において、考え方の大きな指標になるのでは」と指摘した。

 父の十三代の考え方も述懐。「伝統工芸は昔の技術を継承するだけでなく、今の人に喜んでもらえる新しいものを生み出すことが仕事と語っていた」と言い、「人工知能やロボットが暮らしに入ってくる中、人の手で作ることの意味合いが大切になるだろう」と、人と人との関わりで物を作る工芸の特長を強調した。

 日本セラミックス協会の渡邊修陶磁器部会長は、陶磁器質タイルの最新動向を説明。世界の生産は中国が半分を占め、日本は激減したことや、デジタル化が進んでいることを報告。日本独自のテイストやデザインで積極的な輸出を考えるべきとした。

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