投開票日から一夜明けた17日、知事選を振り返り、今後の県政運営への抱負を述べた山口祥義氏=佐賀市の佐賀新聞社

 佐賀県知事選で、共産党推薦の新人今田真人氏(72)に大差をつけて再選を果たした山口祥義氏(53)。ただ、投票率は35・26%と過去最低だった前回(54・61%)を大幅に下回り、県政への関心の低さが課題として浮かび上がった。自衛隊輸送機オスプレイの佐賀空港配備計画など多くの国政課題を抱える2期目の県政運営について聞いた。

 -再選を果たした感想を。

 今回は選挙に勝つためというよりは、佐賀県を良くするために、「山口丸」にできるだけ多くの人が乗り込んで、佐賀の時代をつくりたいという志を立てて選挙を戦った。支援の輪は広がってきたが、投票率や絶対得票率に結び付かなかったのは残念だ。ただ、一票一票を積み重ねた約20万の得票は重い。それを受け止めて走っていく。

 オスプレイと原発問題が争点だと言われ、私が「争点から逃げている」という報道もあったが、そうであるなら選挙前にオスプレイ配備計画の受け入れ判断などしなかった。選挙で自分なりの見解は述べ、時間が頂けるところではしっかり話もした。実際、佐賀を良くしてほしい、少しでも将来が見通せる暮らしがしたいという人が本当に多かった。みんなで佐賀をよくしたいという思いがあるのに、選挙の争点がずれている感じがして、やりきれなさが残った。

 -県政への関心をどう高める。

 正直、どうすればいいのかなという思いはある。この4年間、佐賀のことだけを考えて自分なりにベストを尽くしてきた自負がある。佐賀の時代をつくるためにみんなが立ち上がろう、という雰囲気を生み出すようまた努力するが、処方箋がよく見えない。

 -次の4年間、どんな県政運営を目指すか。

 生活に身近なところでの要望が非常に多く、きめ細かく応えていく。普段巡り会わない中山間地や離島の人ほど、県政の支援を求めている。そういう所にこそ、もっと手を差し伸べて一緒にやっていく姿勢を見せたい。また(来年夏に佐賀県で開催する)全国高校総合文化祭や新幹線などに絡めて、文化芸術スポーツ、中小企業など全ての分野で目に見える進歩が見られるようにしたい。

 -オスプレイの佐賀空港配備計画を受け入れる考えを表明したが、公害防止協定見直しの問題が残っている。具体的にどう進める。

 知事が先に判断してほしいという県議会や漁協の声を受けて、受け入れを表明したが、地権者や漁協がOKしないと成り立たない。ノリ漁期が終わった頃になると思うが、漁協と真摯(しんし)に膝をつき合わせて話をしていく。説明責任は防衛省にある。私は私の判断についての説明責任を果たしていきたい。

 -着陸料として支払われる100億円の使い道は、漁業振興や事故時の補償以外にも議論次第で広げられるのか。

 漁業者のために設けられているが、絶対そうでなければいけないかというと、いろんな可能性はある。漁協との交渉の中で「一部は違う使い方をしてほしい」ということになるかもしれない。交渉がどうなるかは予見できない。

 万が一事故が起きたときに、10億円程度は補償のためにすぐ使えるようにしている。残りの90億円は漁業振興の漁協負担部分に使えるようになっている。漁業振興費は国費などとの組み合わせでできているので、全体では何倍もの効果がある。

 -九州新幹線長崎ルートの整備方法は、フル規格かミニ新幹線を選べという流れになってきている。「二つから選ばなければならない立場にはない」としているが、どんな決着を望んでいるか。

 これまで佐賀県にはほとんどメリットがない中でも長崎県と交渉し、合意しながら進めてきた。今回はそれがない中で、佐賀が何かを打開していかなければならないのだろうか。私は佐賀のためにお金を使い、佐賀を良くしたい。フル規格にすると、公共事業を含めて他の事業がほとんどできなくなる。それでいいのか。武雄市は長崎市と佐世保市とのハブになっていくのに、焦ってつないで通過駅にする必要があるのか。

 -今回の選挙では自民、公明両党から推薦を受けたが、国策課題がある中でこれからの国との向き合い方に影響はあるか。

 特にない。推薦は政治家として重く受け止めているが、目的は知事であることではない。県民の支持を受け、県民の立場をとことん考えながら国と対峙(たいじ)するスタイルでやってきたし、これからもそうしたい。

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