再選が確実となり、花束を受け取る山口祥義氏(右)。左は妻の江美さん=16日午後8時19分、佐賀市八幡小路の事務所

 任期満了に伴う佐賀県知事選は16日に投票、即日開票され、無所属で自民、公明両党の推薦を受けた現職の山口祥義氏(53)が19万9670票を獲得し、共産党推薦の新人で無所属の今田真人氏(72)に大差をつけて再選を果たした。組織力や知名度で山口氏が有利な情勢にあったため、選挙戦は盛り上がりを欠き、投票率も県政史上で初めて4割を下回る35・26%となり、過去最低になった。

 山口氏の得票率は84・66%だった。共産系新人との一騎打ちという構図に加え、投票日が雨だったことで投票率は伸び悩み、前回の54・61%を19・35ポイント下回った。

 山口氏は、保守分裂選挙だった前回2015年には得られなかった自民、公明両党の推薦を受けて選挙戦に臨んだ。県内20市町の首長らをトップとする後援会を中心に、県内の業界団体からも網羅的に推薦を受けて終始、優勢に戦った。

 自衛隊輸送機オスプレイの佐賀空港配備計画の受け入れ表明や、九州電力玄海原発の再稼働同意を巡っては判断の経緯に理解を求め、県民の安全を最優先する姿勢を強調した。県政運営では透明性の確保を掲げ、1期4年の実績を基に子育て施策の推進や危機管理の徹底、1次産業支援、福祉政策の充実などを訴えた。

 再選を果たした山口氏は「佐賀県をさらに良くする強い気持ちで、新たな航海に旅立っていきたい。県民の幸せを考えて前進していくのが山口県政。皆さんとともにネクストステージ、佐賀県の時代をつくる」と述べた。2期目の任期は来年1月11日から4年。

 共産党県委員会委員長の今田氏は、配備計画の撤回や玄海原発廃止を主張し、現職との対立軸を鮮明にした選挙戦を展開した。反原発や労働団体などの支援を受け一定の現職批判票を集めたが、告示2週間前の出馬表明や知名度不足をばん回できず、支持が広がらなかった。

■6割超棄権、ほろ苦「信任」

 佐賀県知事選は、現職の山口祥義氏が大差で再選された。佐賀をPRする発信力や行動力など1期目の県政運営への支持に加え、推薦した260を超える団体の組織力が表れた形だが、投票率は35・26%で過去最低になった。有権者の6割以上が棄権しており、ほろ苦い「信任」となった。

 山口陣営にとって今回の知事選は、投票率との戦いだった。有力な対立候補が現れない中、山口氏自らが同意した玄海原発再稼働やオスプレイ配備計画の受諾表明への支持を得て、2期目の推進力にするためにも圧倒的な得票を目指した。

 結果は投票率が下がり、得票は新人4人で争った前回の18万2795票より増えたものの20万票に届かず、平成の知事選で当時の現職が共産党候補と争った際の30万票台を大幅に下回った。約15%を占めた共産系新人の得票は、現職への批判票といえる。

 山口氏は選挙戦で「オール佐賀をつくる」と主張したが、4年前の初当選時にはなかった政権与党の推薦や多数の団体の支援は、重しやしがらみになる側面をはらむ。批判票にも思いを巡らせ、フリーハンドで県政のかじ取りができるのか、注目の2期目となる。

開票結果(選管最終)

当199,670 山口祥義(53)無現 自・公推薦

  36,174 今田真人(72)無新 共産推薦

無効票 3,827

得票率

 山口氏84.7% 今田氏15.3%

 ※得票率は小数点2位を四捨五入

山口氏略歴

 県知事(総務省過疎対策室長、JTB総合研究所地域振興ディレクター、長崎県総務部長)東京大法学部卒、佐賀市(当選2回)

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